ワーグナー「序曲集」 マゼール指揮フィルハーモニア管弦楽団 このワーグナーの序曲集は、マゼールがクリーヴランド管弦楽団の音楽監督時代だった頃の録音。どうしてフィルハーモニアとの組み合わせになったのかわからないが、これはこれで面白い演奏となっている。
大きな聴きものは、凶暴にして弾力感のあるティンパニ。この楽器の存在感が大きい。この音、ウィーンの柔かいものではなく、かといってバケツの底みたいなシカゴとももちろん違う。少々荒っぽいんだけど、スタイリッシュでもあって、あるようでいてなかなかない音のような気がする。少し前では、芸術劇場のコケラ落としで聴いたシノーポリとのマーラー6番や、最近ではインバルとの「巨人」なんかでも、ティンパニは際立っていて、ここで聴くことができるのはまさしくあの音である。要所要所でキチンとぶちかますところ、さすがマゼールである。
マゼールはここでは頗る上機嫌。おいしいのはティンパニだけじゃない。神経質なアクセントをつけたり、いろいろとテンポを変えたり、ここぞというところで大きなタメをきかせたり、やりたい放題である。この指揮者のケレン味をたっぷりと味わうことができる。
夏バテも少し吹っ飛んだね。
「さまよえるオランダ人」序曲
「リエンツィ」序曲
「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲
「タンホイザー」序曲
1978年、ロンドン、ツーツ、オールセインツ教会での録音。
【野球観戦日記】
7/14(木)
神宮球場でヤクルト対中日戦を観る。
中日の先発はチェン。ネルソン、吉見で連敗したので、これ以上は負けられない試合だったが、ホワイトセルに同点打を浴びて、そのまま引き分けた。エース級3人でも勝てなかった。この相性の悪さ、ほとんどビョーキだ。
好投していたチェン
7/16(土)
朝霞市営球場で朝霞高校対栄東高校戦を観る。
プロ野球を観た後では、高校野球は下手にみえる。実際下手くそだ。でも観ていて気持ちがいいのは、テンポの速さ。プロ野球が3時間半かかるならば、同じ時間で2試合観られる。これはけっこう魅力的。
などと言いつつ、この試合は延長11回まで進んだので、結局3時間近くかかった。
朝霞 1 2 3 4 5 6 7 8 91011 計
栄東 0 1 0 1 0 1 0 0 0 0 2
x 5
朝霞 0 0 0 2 1 0 0 0 0 0 3x 6
後攻を応援していたので、11回表に2点を取られたときに少しあきらめかけた。ところがその裏に、内野安打に暴投がからんだあと3塁打などが飛び出して同点、なおもノーアウト一三塁のチャンスが到来。スタンドは沸きに沸いた。「でも9回も同じようなチャンスをのがしているからねー」などといいながら期待して、次の1球を見たら、投手が投げようとしてボールを持ったまま転倒。
何秒だったか、球場が静寂に包まれた。おもむろに球審が進塁を宣言したとき、投手はうずくまり、攻撃陣は歓喜の雄たけび。サヨナラ・ボークだ。
後攻応援席の拍手がまばらだったのには納得。勝つには勝ったが、なんとも言えない幕切れ。
うずくまる投手がしばらく目に焼きついた。泣くのをこらえるのに、喉が痛かった。
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