普段はあまりオペラを積極的に聴くほうではないが、「トリスタン」は例外的に3種類持っている。ベームとクライバーとフルトヴェングラーだ。
このオペラにひかれる理由はいくつかあるが、まずテンポのゆっくりしたところ。全曲中、どれくらい短調が占めるのかわからないが、音楽は終始冥界をたゆたうように流れる。うたたねするにもちょうどよいテンポであることは言うまでもない。
次に、登場人物が少ないこと。推理小説には、裏表紙にずらずらと人の名前が書いてあるものがあるが、確かに読んでいるうちにこれは誰だっけ、なんていうことがある。できれば、裏表紙を見なくても読み進められるほうがいいが、このオペラならば余程のことがない限りそういった恐れはない。
それから、月並みながら、背中がぞくぞくするような官能性に溢れていることも、魅力のひとつだ。
今はDVDに駆逐されつつあるが、ひところのVHSビデオの爆発的な普及の原動力は、エロビデオを見るためのニーズだったという。都市伝説のようでもあるが、あながち間違いではないのじゃないかと思う。現に、私がそうであった。若い頃は、そりゃみんなで回し借りして…。いや、そんな話はどうでもいいのだが、「トリスタン」を聴いて感じる、なんともいえないいやらしさは、ビデオと通じるものがあるようだ。やや強引か。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
『トリスタン』は、私でも聴きなじむので聴きやすいオペラのひとつだと思います。ここのところ集中してフルトヴェングラーを聴いていまして、これから改めてベームとクライバーを聴きなおそうかと思っています。
DVDもエロものがありますが、わざわざ見る歳でもなくなってきています(笑)。
トリスタンとイズーの物語、今では著名な伝説となっているようですが、原作を読んだことはありません。いろいろな解釈があるのですね。とらえかたによって、音楽に還元されることもあるのかもしれませんね。
2007.12.22 21:15
無題 - bitoku
Re:bitokuさん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
今回、フルトヴェングラーの52年録音盤を初めて聴きましたが、音質も悪くなく、とても聴きやすいものでした。後編で少し詳しく書くつもりですが、歌手も粒が揃っており、フルトヴェングラーの大きなうねりの中に違和感なく溶け込んでいる感じがしました。
>御大の他の録音では2幕、3幕しか残っていないのですが47年のライヴ盤も良いです。
ライヴもでていますね。52年を聴きこんでから挑戦したいものです。
ベーム盤とC・クライバー盤は何度か聴いているのですが、内容を忘れています(笑)。今回はけっこうまじめに聴いたので、彼らの演奏を比較するのが楽しみです。
クライバーのバイロイト74年盤は良いですか!
参りました^^
ベームなどのレビューもいずれ(いつになるか?)書きますので、またいろいろ教えてください。
2007.12.23 08:15
無題 - neoros2019
2008.09.24 Wed 20:12 [
Edit ]
Re:neoros2019さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
現役盤は、そんなに少ないのですか。
名曲のわりに、録音は多くないのですね。
マゼールなんていかにも楽劇やりそうなのに録音していないのは確かに意外です。マゼールのワーグナー、聴きたいですね。クーベリックもこの曲の録音はないようです。
歌手をそろえるのが難儀なのでしょうか。
2008.09.26 12:50
無題 - neoros2019
2008.11.05 Wed 10:58 [
Edit ]
Re:neoros2019さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
コメントありがとうございます。
<≪トリスタン≫は指揮者の潜在的なポテンシャルを充分に引き出しうる素材として最高のものと呼んで良いとおもいます
そうですね。全部を聴いたわけではありませんが、それぞれ違う魅力的な演奏だと思います。
ここはひとつ、マゼールに録音してもらいたいものです。
ベルリオーズのレクイエム、名曲です。
録音数は少ないですが。
ここ数年はインバルのものをよく聴いています。
デイヴィスはドレスデンともやっているのですね。彼のベルリオーズは定番でありますが、いいものが多いですね。
2008.11.05 20:49
この記事へのトラックバック
TrackBackURL
→