シノーポリ指揮バイロイト祝祭管弦楽団・他の演奏で、ワーグナー「タンホイザー」を視聴しました(1989年、バイロイト音楽祭での収録)。
二期会公演の予習。
オペラは映像つきで味わうほうがいいとわかってはいても拘束される。なので私の場合、観始めるまでに思い切りが必要。演出がつまらなかったら音声のみにして、ながら聴きを始めちゃうけど、これは最後まで飽きずに観ることができました。
演出はシンプルなものの飽きさせない。解説によれば、ヴィーラント・ワーグナーのものを踏襲しているとのこと。舞台中央が場面に応じて緩やかに回転するところは自然。衣装と照明との色合いもよく馴染んでいると感じます。
タンホイザー役の歌手を初めて聴いたかもしれません。気に入りました。声の線が細いところが、いかにも性欲に溺れる弱さをあらわしているようで役に合っているようだし、なにしろよく響く。
エリーザベトはじめ、他の歌手陣に文句をつけるところはないけど、強いて言えばヴェーヌスはもうちょっとエロいほうが好み。
歯切れのいいオーケストラは聴き心地がよかったし、合唱は豊穣で申しぶんなし。
領主ヘルマン…ハンス・ゾーティン(バス)
タンホイザー…リチャード・ヴァーサル(テノール)
ヴォルフラム…ヴォルフガング・ブレンデル(バリトン)
エリーザベト…チェリル・ステューダー(ソプラノ)
ヴェーヌス…ルートヒルト・エンゲルト=エリ(ソプラノ)
ヴァルター・フォン・デア・フォーゲルヴァイデ…ウィリアム・ペル(テノール)
ビテロルフ…ジークフリート・フォーゲル、他
演出・舞台装置:ヴォルフガング・ワーグナー
映像監督:ブライアン・ラージ
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