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ラルキブデッリ、モーツァルト、"弦楽五重奏4番"

2020.08.30 - モーツァルト

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ラルキブデッリの演奏で、モーツァルトの弦楽五重奏4番を再び聴きました(1994年の録音)。

小林秀雄の「モオツァルトのかなしさは疾走する。涙は追いつけない」とは、この曲を指したものだけど、短調であることに加えてアレグロであることから、かなしみと疾走という言い回しはスッと腑に落ちます。
25番あるいは40番のシンフォニー、8番ピアノソナタあたりも「短調アレグロ」なので、上記の言葉は当てはまらないわけではない気がしつつも、弦楽五重奏においての弦のキザミには、なんとも云いようのない焦燥が感じられ、かなしみの色調は濃厚。この速さは、あと4年あまりで命を落とす作曲者の、無意識の心根だったかもしれない、とは穿った見かたであります。

さて、ラルキブデッリの演奏は清冽にして瑞々しい。どの楽器も雄弁だし、あたかも5月の空に描かれた飛行機雲のように伸びやか。各パートのバランスもいいようで、アンサンブルが立体的に聴こえます。2~4楽章はもとより1楽章においても、かなしみだけではなく、生への渇望のようなものがじゅうぶんに感じられ、あらためてモーツァルトが愛しくなります。

この団体のことだから、ガット弦を使っているとか、モダン楽器よりピッチが低いとか、そういうことをしているのかもしれませんが、いずれであっても、素晴らしい演奏に変わりはありません。


ヴェラ・ベス(ヴァイオリン)
ルシー・ファン・ダール(ヴァイオリン)
ユルゲン・クスマウル(ヴィオラ)
ギジュス・ベス(ヴィオラ)
アンナー・ビルスマ(チェロ)
























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Comment

モーツァルティアン笑 - 老極の散策クラシック限定篇

あるコアなモーツァルトブロガーの人がホルン協をあげればすぐさまそれをかけっぱなしにしていますし、ヘブラー/シェリングのソナタが良いといえば何とか時間を費やしてももそれを手にする努力を惜しまない状態が今の私です。
芳野さんがこれを挙げたのを機会にして所有のDGアマデウスクインテット`70前後収録もしくはカメラータ東京ウィーン弦五重奏団‘91収録を聴き込んでいます。
嗚呼挽きたて珈琲が美味しい。
2020.09.02 Wed 06:50 URL [ Edit ]

こんばんは~。 - 管理人:芳野達司

neorosさんと云えば、マゼールの印象が強かったですが、モーツァルトはお好みなのですね。ボクもなんだかんだと、よく聴いています。
この五重奏は大好きな曲ですが(といっても聴くのは3,4ばかりです。。)、多くの演奏に触れたわけではなく、アマデウスもウイーンもまだ未聴です。ぜひ、聴いてみたいです。
2020.09.02 20:37
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