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マゼール、クリーヴランド管弦楽団、ベルリオーズ、"レクイエム"

2020.09.09 - ベルリオーズ

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マゼール指揮クリーヴランド管弦楽団・他の演奏で、ベルリオーズ「レクイエム」を再び聴きました(1978年8月、クリーヴランド、メイソニック・オーディトリアムでの録音)。

この曲を取り出すのは、先々月にフレモーの指揮で聴いて以来。あの演奏は、柔らかいフォルムを保ちつつ堅実な造形を彫刻しており、なおかつ、ときにはスペクタクルな要素も前面に押し出した演奏であって、大変感銘を受けました。
それを念頭に置きつつ、このディスクを今日再び聴くまで温めておいてみました。

当演奏は、この時期のマゼールらしく、筋肉質。音は総じて短く刈り込まれ、切っ先は鋭利。ただこの録音においては、残響がことのほか豊かに取り入れられていて、ずいぶんとカドが取れているように感じます。それはこうした合唱を伴う曲の性質上、妥当な仕掛けなのかもしれません。

くだんの「怒りの日」においては、ことさらスペクタクルな味を強調しているわけではない。むしろ、男声合唱のふくよかで広がりのある響きに陶酔させられます。強い音も、弱い音も安定している。女声合唱もよい。密度が濃く、透明感があります。いずれも、オーケストラとの音量のバランスがうまく均衡している。クリーヴランドの合唱団は、ことこの演奏に関して言えば、マーガレット・ヒリスを擁したシカゴ交響合唱団にひけをとらないと思います。

「サンクトゥス」におけるテノールはとてもリリカル。知的でありつつも、可愛げがある。大人の天使がいるとしたら、こんな風かな。
「サンクトゥス」と交互に演奏される「ホザンナ」を、私は『六甲おろし』のフーガ、と勝手に呼んでいるが、秋の雲のようなたっぷりとした厚みがある。ここでもやはり、合唱のうまさが際立っています。

やはり、この曲は素晴らしい。


ケネス・リーゲル(テノール)
クリーヴランド交響合唱団




























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マゼール回顧 - 老極の散策クラシック限定篇

日英米の最前線を示すゴダール、大島渚、キューブリックの映像作家たちの方向性を担う鮮烈な六十年代末の息吹をクラシック音楽界でも象徴していたのがロリン・マゼールという唯一のコンダクターでした。
受容者であるわたしは5年前の大病を経て聴覚、視覚を司る生理感覚の超弱体化が進行。
そんなアーティストたちの膨大なエネルギーに満ちた情報量が詰まった悪魔の諸作品を受け入れる体力も感覚も私の側に残されているはずもなく。
マゼールのベルリン・ドイツ・オペラのカルメン全曲椿姫全曲、NPOとのシェエラザード/道化師の朝の歌、VPOとのマンフレッド、クリーブランドとのプロコフィエフ/ロメオ全曲、ベルリオーズ/レクィエム、ベルリン放響とのバッハ管弦楽組曲、リヒテル/パリ管とのブラームスピアノコンチェルト2番は体調が完全に復調という条件がクリアできればその世界に再没入したいという希望は捨てていません。
2020.09.13 Sun 10:04 URL [ Edit ]

おはようございます。 - 管理人:芳野達司

マゼールの演奏を聴き始めたのは、クリーヴランド時代の後期からです。
もっぱら図書館でレコが印象的だったのを覚えています。なんて切れ味がいいのだろう!

ベルリン・ドイツ・オペラの椿姫全曲
NPOとのシェエラザード/道化師の朝の歌
VPOとのマンフレッド

これらはまだ未聴です。現役盤はあるのかわかりませんが、ディスクユニオンで探してみます!
2020.09.13 10:53

ロリン・マゼールIN Vienna - 老究の散策クラシック限定篇

6年前ですかユニヴァーサル・イタリアにて『LORIN MAAZEL IN VIENNA』と銘打った9枚組セットがでていたのですね。
チャイコフスキー&シベリウス交響曲全集にチャイコの序曲数曲付きで(マンフレッドを含んでいる!!)
3千円弱だったことと装丁がモノクロでなかなか洒落ていると感じ、衝動的に贖ってしまいました。
シベリウス1番&5番&カレリア序曲など先日処分したばかりにもかかわらず、加えてチャイコフスキーやらシベリウスはこれから先もしかして聴くタイミングを一生失ったかもしれないなどと自己ブログ上で宣言したばっかりなのに・・・・・・・
いやいや芳野達司さんのこの記事がきっかけになったことは確かです。
2020.09.19 Sat 18:48 URL [ Edit ]

それは存じませんでした! - 管理人:芳野達司

シベリウスはSONYのボックスに収録されていたピッツバーグ交響楽団とのものを聴きましたが、あまりピンとこなかったのです。で、ボックスごと断捨離してしまいました。。
ウイーンとのシベリウスは興味深いし、チャイコスフキーもマンフレッドは未聴なので、これはソソります!
チャイコのシンフォニーはどれも面白かったので、これは入手したいです。
2020.09.19 20:07
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