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アシュケナージのモーツァルト「ピアノ協奏曲第21番」

2009.08.23 - モーツァルト

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モーツァルト ピアノ協奏曲21,24番 アシュケナージ(Pf、指揮)フィルハーモニア管


1年ほど前からデカルトの「方法序説」を読んでいるが、まだ半分くらい。
気がついたら、話が妙な方向に進んでいる。
「右側の心室には、血液の主要な受容器である大静脈と肺へと繋がる動脈性静脈(肺動脈)という二つの非常に太い管が通じている。左側には、心臓から出て、身体全部に広がっていく大動脈と肺から来ている静脈性動脈(肺静脈)が通じている。」
そして、動脈性静脈は本来は動脈であり静脈性動脈は静脈と言うべきものだ、と添えている。
なにを言っているのだ、このヒトは。
そもそもどういう脈絡でこういった話になったのか、忘れているのだから救いがない。
また前に戻って読み返してみないといけないようだ。今年中に読むのが目標であるが、道は険しい。


アシュケナージのモーツァルトは、ピアノの音がいい。ことに、高音におけるつややかさはたまらない。
ホロヴィッツのように血管がブチ切れそうに気合の入ったものではなく、ミケランジェリのように透徹した硬派なものでもない。柔らかくて暖かい、吹けば飛んで行きそうな繊細な音だ。
それがコロコロと耳に入ってくるのは、実に気持ちのいいもの。
アシュケナージはここでソロだけではなく指揮も兼ねているが、オケへの気配りも抜かりない。フィルハーモニア管のふくよかな響きをじゅうぶんに引き出しつつ、キリッとしまった造形を作っている。潤いのある弦のうえに、木管楽器がのびやかに歌う。
カデンツァはアシュケナージの自作。1楽章はスケール大きく、終楽章は小粒でピリッと。
残暑の落ち着いた日曜の昼下がりの、ひとときの快感であった。


1978年、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音。




h

広島のお好み焼き。
思ったよりソバの量が多い。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます〜

広島焼き 美味しそうですね〜
広島で食べる広島焼きは、やはり違うのでしょうね〜。

デカルトの「方法序説」大昔に読んだのを覚えています。上に書かれているような箇所、ありましたっけ?完全に忘れています。書かれている内容はさっぱりわかりません。確か、デカルトは心身二元論を採っていたと思うのですが、どうだったでしょうか?そういうところから、心臓の役割も現在とは異なった解釈をしていたのでしょうか?

アシュケナージ、ピアノの方が断然好きです。ロンドンの木管奏者とベトベン、モツアルトの「ピアノと木管の五重奏曲」の録音を持っていますが、実に良い演奏だったです。ピアノコンチェルトは聴いていません。昔は、バレンボイムのモツアルトのピアノコンチェルト、好きだったんですが、最近は聴いていませんね〜。

ミ(`w´彡)
2009.08.24 Mon 06:16 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。

広島焼き、焼きそばに皮がのっかっているようなものなのですね。それはそれでおいしく食べました。

デカルトの「方法序説」、最初は調子がよかったのですが、だんだん気が緩んできたせいかわけがわからなくなっています。動脈の記述は第5部なのですが、どういう流れでこういう話になったのか…。

>アシュケナージ、ピアノの方が断然好きです。

同感です。このモーツァルトの協奏曲はいいものです。バレンボイムの旧盤と双璧なのじゃないかと思います。
2009.08.25 12:41

無題 - sweetbrier

こんにちは。

広島焼きのソースは、
関東人の吉田さんご一家のお口に合いましたか(*^_^*)

肺動脈、心臓静脈…中学時代を思い出しました。
理科少年たちに好評の毎回脱線デカルト的新任教師に教わったときはこんぐらがりました。
後にベテラン先生(理科少年には不評)は、トロい子は待つより引っぱってけ!、ってんで
「心臓へ血液を送るのが静脈、
 心臓から送り出すのが動脈なり~」
と教えてくださいました(^^;)

私は今、モーツァルトのピアノ独奏曲のCDを探しています。大昔、ピアノの先生が勧めてくれたへブラーやシュナーベルのは、私のチンピラ脳ではわくわくドキドキできなくて不満なのです。

アシュケナージの演奏は、独奏、指揮ともプロコフィエフを聴いたのみです。こちらの情感を揺さぶっといて、演奏者は体温低いままって感じ、その怜悧で硬質な印象が好きでした。

> 高音におけるつややかさ
> 柔らかくて暖かい、吹けば飛んで行きそうな繊細な音

う~ん、そそられます。
2009.08.24 Mon 14:03 URL [ Edit ]

Re:sweetbrierさん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

お久しぶりです。

「お好み村」という広島焼き屋ばかりが並んだ雑居ビルに行きました。広島焼きはソースが甘いのですね。ビールとよく合う味でした。

毎回脱線デカルト的新任教師、面白そうですね。そういう方がいると哲学書も身近に感じられるかもしれません。

>「心臓へ血液を送るのが静脈、
> 心臓から送り出すのが動脈なり~」

そういうことだったのですね。原文からは読み取ることができませんでした^^

アシュケナージのはへブラーやシュナーベルに比べて華やかに聴こえます。そこが気に入っています。オケの豊満な響きもいいのですよ。
彼のモーツァルトの協奏曲は20番台を聴きましたが、どれもすばらしい演奏です。
2009.08.25 12:49
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