モーツァルト ピアノ協奏曲21,24番 アシュケナージ(Pf、指揮)フィルハーモニア管1年ほど前からデカルトの「方法序説」を読んでいるが、まだ半分くらい。
気がついたら、話が妙な方向に進んでいる。
「右側の心室には、血液の主要な受容器である大静脈と肺へと繋がる動脈性静脈(肺動脈)という二つの非常に太い管が通じている。左側には、心臓から出て、身体全部に広がっていく大動脈と肺から来ている静脈性動脈(肺静脈)が通じている。」
そして、動脈性静脈は本来は動脈であり静脈性動脈は静脈と言うべきものだ、と添えている。
なにを言っているのだ、このヒトは。
そもそもどういう脈絡でこういった話になったのか、忘れているのだから救いがない。
また前に戻って読み返してみないといけないようだ。今年中に読むのが目標であるが、道は険しい。
アシュケナージのモーツァルトは、ピアノの音がいい。ことに、高音におけるつややかさはたまらない。
ホロヴィッツのように血管がブチ切れそうに気合の入ったものではなく、ミケランジェリのように透徹した硬派なものでもない。柔らかくて暖かい、吹けば飛んで行きそうな繊細な音だ。
それがコロコロと耳に入ってくるのは、実に気持ちのいいもの。
アシュケナージはここでソロだけではなく指揮も兼ねているが、オケへの気配りも抜かりない。フィルハーモニア管のふくよかな響きをじゅうぶんに引き出しつつ、キリッとしまった造形を作っている。潤いのある弦のうえに、木管楽器がのびやかに歌う。
カデンツァはアシュケナージの自作。1楽章はスケール大きく、終楽章は小粒でピリッと。
残暑の落ち着いた日曜の昼下がりの、ひとときの快感であった。
1978年、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音。
広島のお好み焼き。
思ったよりソバの量が多い。
PR