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"ほかならぬ人へ"、アカデミー、"八重奏曲"

2013.02.10 - メンデルスゾーン

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メンデルスゾーン 「八重奏曲」 アカデミーのメンバー



白石一文の「ほかならぬ人へ」、二度目を読む。
これは、裕福な家庭に育ったものの平凡な若者がキャバクラ嬢と結構し、いろいろな試練を経験していく恋愛小説。

印象に残ったくだりはここ。
「自分が好きだと、さまざまなことに集中することができる。将来の夢や目標に向かって地道な努力をしてもいいし、趣味や娯楽に熱中してもいい。誰かに好かれるために、他人の役に立つことをやってもいい。何もすることがなくたって大好きな自分のことを考えていればいい」

自分を好きなことが普通なことなのだろうか。著者は自分がそうではないと訴えているように思える。自分が好きな人は、それだけでじゅうぶんにトクをしている。











アカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズのメンバーによる、メンデルスゾーンの「八重奏曲」を聴く。

これは明るくて爽やかな演奏だ。ソロ・ヴァイオリンはじゅうぶんになめらかで美しく(ズスケほどではないにせよ)、楽天的によく歌っている。よく晴れた日曜日の朝にふさわしい。
この演奏での白眉は、3楽章のスケルツォだろう。
弱音器の効果をじゅうぶんに生かした幻想的な雰囲気と、速めのテンポがなにか「真夏の夜の夢」の速い場面を思わせる。
合奏は完璧といってよく、なんともすがすがしい。メンデルスゾーンのスケルツォは、やっぱり素晴らしい。

とくに、最後の2楽章はぜひとも聴くべき内容だと思う。


ヒュー・マガイア
ネヴィル・マリナー
アイオナ・ブラウン
トレヴァー・コナー(以上Vn)
スティーヴン・シングルズ
ケネス・エセック(以上Va)
ケネス・ヒース
デニス・ヴィゲイ(以上Vc)



1967年6月、ロンドンでの録音。












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Comment

はじめまして。 - アソー

はじめまして。好きな曲の検索をしていてこのサイトにたどり着きました。
メンデルスゾーンの八重奏曲、いい曲ですね。高校生の時にスメタナとパノハのLPで聴いて大好きになりました。霞が晴れて青空が広がって行くような第一楽章が特に素敵ですね。演奏もいい意味でメンバーが自己主張せず溶け合ったアンサンブルを披歴していていい演奏でした。実家にLP置いて来たので今は聴けないので、代わりにゲヴァントハウスとベルリンのCDを聴きながらメールしています。
こちらもいい演奏ですね。大学生の頃、ズッカーマンのソロでメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と八重奏曲という素敵なカップリングのCDが出ていましたがあれは最近見かけないですね。

白石一文はぼくも好きな作家ですが、設定がワンパターンで、順風満帆だった超エリートが病気や不倫で人生の陥穽に落ち込む展開が多いですね。
初期の短編集の「不自由な心」や「すぐそばの彼方」が凄くいいと思います。
2013.03.03 Sun 11:46 [ Edit ]

アソーさん、はじめまして。 - 管理人:芳野達司

こんにちは。コメントをありがとうございます。

メンデルスゾーンの八重奏曲のよさに気付いたのはわりと最近、40歳をすぎたあたりだったでしょうか。どうしてこんなにいい曲を知らなかったのかとあきれました(そういうことはこれからもあるのでしょうけど)。
スメタナとパノハの演奏もいいですね。じつはいままで聴いた中で一番の気に入りは、ゲヴァントハウスとベルリンのCDなのです。ズスケのヴァイオリンがステキすぎます。
ズッカーマンの八重奏曲は今は廃番なのかもしれませんね。少し前に中古店で入手しまして、これもなかなかいい演奏です。

白石一文は、確かに設定がワンパターンなことが多いですね。。
比較的最近のものでは、「この世の全部を敵に回して」と「この胸に深々と突き刺さる矢を抜け」が好きです。
2013.03.03 17:46
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