ムソルグスキー 「展覧会の絵」 ブレンデル(Pf) 小野俊哉の「プロ野球最強のベストナイン」を読む。
プロ野球発足から現在まで、日本で活躍した外人も含めて考え抜いたベストナイン。
基本的には記録に基づいて選定している。戦前・戦中に活躍した選手に関しての記録は、状況に応じて記録を現在に置き換える工夫をしていて、説得力がある。
その結果は、読んでのお楽しみ。
では私もやってみよう。
ピッチャー:野茂(先発)、岩瀬(中継ぎ)、佐々木(抑え)
キャッチャー:古田
ファースト:王
セカンド:荒木
サード:松田
ショート:井端
レフト:山本浩二
センター:福本
ライト:イチロー
DH:マニエル
サードは迷った。長嶋は晩年しかしらないので、むしろいま脂がのっている松田が面白いんじゃないかな。今の気分ではこんな感じだ。
ブレンデルの弾く「展覧会の絵」は、聴きごたえじゅうぶん。ブレンデルの重厚な音色がじつに効果的で、
この曲の印象が変わるほどインパクトがあった。
冒頭はなにげなく淡々と始まる。続けて聴いて行くとこのプロムナードはわりとサクサク歩いて行くのだが、合間の「絵」の密度がどれもコッテリと濃ゆい。
「テュイリーの庭」で淡いロマンに一瞬浸っていると、次の「ビドロ」での低音の波に圧倒される。胸が苦しくなるような、左手の大きな音圧。
「サムエル・ゴールデンベルクとシュムイレ」と「リモージュの市場」は右手の妙。めくるめく回転したそこから柔らかく凛とした音が立つ。
ラストの「キエフの大門」は圧巻。派手さはまったくないかわりに、しっとりとした質感がある。きめが細かく、あたたかく、格調が高い。大曲をしめくくるにふさわしい、重厚な演奏である。
1985年7月、ロンドンでの録音。
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