マーラー 交響曲第6番 アバド指揮 ベルリン・フィルヘミングウェイ(高見浩訳)の「白い象のような山並み」を読む。
これは、スペインの片田舎で列車を待つ間に、駅のバーで時間をつぶす男女の話。女の足の手術をするかしないかが会話のポイントになっているが、あまり深い意味はない、ように思える。
男と女はビールをからるがわるおかわりをするのだが、じつにうまそう。じつはこれが主題なのではと思わされる。それと女の気分の抑揚の不可解さ。女は謎である。それが読みえたときの後味。
アバドがベルリン・フィルを振ったマーラーの6番を聴く。
出だしの音があまり出ていない感じがいかにもライヴっぽい。楽章をおうごとにどんどん良くなってきて、アバドの洗練されたスタイルとベルリンの機能とが相まって爆裂するのは最終楽章。
ハンマーは2回鳴らされるが、どちらもズシンと腹に響くいい音である。ボルテージが高い。
この演奏は終楽章を聴くべき。
このコンビのマーラーを聴くのは「9番」以来であったが、あの演奏も終楽章に頂点をもっていくやり方だった。
これがライヴのよさでもある一方で、こうして自宅で聴くための録音であるならば、逆にひとつの弊害とも言えるかもしれない。
なお、スケルツォは3楽章に置いている。
2004年6月、ベルリン、フィルハーモニー大ホールでのライヴ録音
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