マーラー 交響曲第2番「復活」 スイトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ 他スイトナーのマーラーを聴くのは、これが初めて。
スイトナーといえば、80年代の始めころにDENONで連続録音したベートーヴェンの交響曲の評判が良くて株を上げたものだ。私もいくつか聴いて、ケレン味のない自然なサウンドを気に入っていた。
このマーラーも、DENONのベートーヴェンのように、楽器のまろやかな溶け合いを楽しめる演奏に仕上がっている。
1楽章は、約22分。中くらいの時間であるが、実際聴いてみるとややせわしなく感じる。楽器間のバランスがいい。
2楽章は、たっぷりとヴィヴラートの効いた甘い弦の音がききもの。とても巧いというわけではないけれど、懸命な弾きぶりが伝わってくるので、心に響く。
3楽章は、リズム感がよく、一気にたたみかける感じだ。
4楽章も、ほんの少し速いようだ。プリーヴのアルトは端正で落ち着き払った声だ。つややかな響きであり、このオケの色合いとよく合っている。
終楽章になると、ところどころ恣意的なテンポの変化が出てくる。それはとくに前半が顕著で、合唱が登場する後半からは、またインテンポに戻る。
合唱が導入するところ、よくピアニッシモでもったいぶる演奏があるが、ここではせいぜいメゾ・ピアノぐらい。全体的にこの演奏では、ダイナミックレンジが狭く抑えられているようで、弱音がやや大きめに鳴っている。録音のせいもあるかもしれないが、これも聴きやすくなっている要因だろう。
ラストは、ぐっとテンポを落としてくる。合唱、金管、オルガンの音の配分が絶妙で、すべての音が透き通るかのようだ。
大きく盛り上がって終了する。
スイトナーとベルリン・シュターツカペレの底力は、モーツァルトやベートーヴェンで思い知らされていたが、後期ロマン派もすばらしい。
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