クーベリック指揮バイエルン放送交響楽団の演奏で、マーラーの交響曲6番を再び聴きました(1968年12月、ミュンヘンでの録音)。
クーベリックのマーラーは、全体を通して速めのテンポでサクサクと進みますが、各フレーズの表情が豊かなことに加え、堅固な建てつけ、内声部の浮き立たせかたの見事さ、そして楽器のコクのある音色の味わい深さという点で、多くのマーラー全集のなかでも屈指のものだと思います。
1楽章のテンポは快速。速くて音が鋭いので、キレ味があります。ただ、録音がいささか寸詰まりで、フォルテッシモに広がりがないように感じます。
2楽章はスケルツォ。速いけれど細部をていねいに掬い上げて明快に響かせるところは1楽章と同じ。地の底のようなチューバの音が面白い。
3楽章は、弦楽器の几帳面な弾きぶりが印象的。無骨でありつつ、誠実さを感じます。
終楽章は、大量の楽器が濁ることなく、それぞれがクッキリと分離して聴こえるので、透明感があります。
見通しの良さという点では、レヴァイン盤やシノーポリ盤を上回るかもしれない。
ハンマーはたぶん2回。というのは、2度目は本当に鳴っているのかわからないくらいに小さいから。
パースのビッグムーン。
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