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アバドのマーラー「第9」

2006.06.18 - マーラー
日本対クロアチア戦を、チラチラながめながら書いている。
普段は野球派なのだが、4年に一度のこの季節になると、
つい観てしまう。
つまりは、単なるミーハーなのだ。

サッカー・ワールドカップといえばドイツ。
ドイツといえば、ベルリン・フィル。
どいつが振るかといえば、アバド…(寒)。
というわけで、アバドのマーラーを聴いた。



マーラー第9

マーラー交響曲第9番 アバド指揮ベルリン・フィル


冒頭からしっとりとした音色を響かせる。
重厚に粘る弦楽器と、骨太でしっかりした木管を軸に、安定感のある
バランスの良い演奏。
最初の3つの楽章は、安全運転のように思える。
悪いところは見当たらない。
かといって、特にインパクトはないし霊感も感じられない。
しかし、第4楽章が始まると、いきなり引き締まってくる。
ここで急に音楽にちからが出てくるのだ。
アバドの思い入れが、あきらかに違う。
同じベルリン・フィルを振ったバーンスタインのような、過激な
パッションはここにはないし、カラヤンのライヴのような悲痛さも、
聴こえない。
だけど、聴いていくうちに、じわじわと、心になにかが迫ってくる。
ライナー・ノーツには、「青空に解け行く雲のようだ」という
ワルターの言葉の引用があるが、まさにそんな感じだ。

このメンバーでの来日公演は大変評判の良いものだったが、
このCDには、その高揚感の一端は伝わっているのだろうか。



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Comment

無題 - ピースうさぎ

確かにこの演奏は第4楽章が格別ですね。
弦を中心に異次元の音のようです。

最近はカラヤンのスタジオ録音のほうをよく聴いてます。
2006.06.20 Tue 21:45 URL [ Edit ]

無題 - 吉田

ピースうさぎさん、こんばんは。
全く同感です。
どのような状況でこういう響きが出せるのか不思議です。音楽の魔力を感じます。
第4楽章だけを取るならば、このアバド盤が(今は?)一番好きかも知れません。
2006.06.20 Tue 22:26 [ Edit ]

無題 - ノボベルト

実演は実に凄かった。特に最後の沈黙が・・・蝋燭の灯が闇の中で浮かんだり消えたり・・・そして闇に落ちていく感じ・・・20秒?ぐらいして数人が拍手をしたが、ホール全体の雰囲気までも背中で指揮していた彼の圧力?に再び沈黙が訪れ、それはそれは長い黙祷となった。こんなコンサートはめったにない。。。CDでは限界があるけれど、雰囲気は思い出します。DVDでその感じが垣間見れますよ。
2006.07.14 Fri 03:48 [ Edit ]

無題 - 吉田

こういう演奏に出会うのは稀有でしょうネ。
アバドは、特にマーラーが良いようで。
2006.07.14 Fri 12:05 URL [ Edit ]
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