日本対クロアチア戦を、チラチラながめながら書いている。
普段は野球派なのだが、4年に一度のこの季節になると、
つい観てしまう。
つまりは、単なるミーハーなのだ。
サッカー・ワールドカップといえばドイツ。
ドイツといえば、ベルリン・フィル。
どいつが振るかといえば、アバド…(寒)。
というわけで、アバドのマーラーを聴いた。
マーラー交響曲第9番 アバド指揮ベルリン・フィル冒頭からしっとりとした音色を響かせる。
重厚に粘る弦楽器と、骨太でしっかりした木管を軸に、安定感のある
バランスの良い演奏。
最初の3つの楽章は、安全運転のように思える。
悪いところは見当たらない。
かといって、特にインパクトはないし霊感も感じられない。
しかし、第4楽章が始まると、いきなり引き締まってくる。
ここで急に音楽にちからが出てくるのだ。
アバドの思い入れが、あきらかに違う。
同じベルリン・フィルを振ったバーンスタインのような、過激な
パッションはここにはないし、カラヤンのライヴのような悲痛さも、
聴こえない。
だけど、聴いていくうちに、じわじわと、心になにかが迫ってくる。
ライナー・ノーツには、「青空に解け行く雲のようだ」という
ワルターの言葉の引用があるが、まさにそんな感じだ。
このメンバーでの来日公演は大変評判の良いものだったが、
このCDには、その高揚感の一端は伝わっているのだろうか。
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