ベートーヴェン ピアノソナタ第4番 アルトゥーロ・ベネデッティ・ミケランジェリ今日も休日。しかもまったく予定がないのでビデオでも観ようと思いつつ、レンタルショップまで行くのも億劫だったので家の古いビデオを漁ってみた。
エロビデオではない。
久しぶりに「男はつらいよ」の第1作を観る。以前にテレビ東京で全作を放映していたときの1回目である。登場人物がみんな若いこと。特に倍賞千恵子が演じるさくらの凛々しさといったらない。美人の中でも可愛らしいタイプなのですね。西洋人でいえばロミー・シュナイダーのような雰囲気を醸し出していて、年代も彼女と同じくらいじゃないなかろうか。
渥美清ももちろん若いが、このヒトは晩年とあんまり顔が変わらない。若いうちに顔も芸も成熟したのかもしれない。
「男はつらいよ」シリーズは、初期の作品のほうが、寅のヤクザっぷりを自然に強調できていて、荒いところと気弱な部分との対比が面白くなっていると思う。
それからベートーヴェンを聴いてみた。
ミケランジェリはもともと録音が少ないので、ベートーヴェンの録音も多いとは言えないが、彼にしては比較的たくさん残している。ジュリーニとの協奏曲はテレビ放映用に撮影されたものらしく、全曲を演奏したにも関わらず2番と4番が出ておらず、今となってはとても残念なこと。
チェリビダッケみたいに、彼の子孫が残されたライヴ録音の正規発売を許可してくれないかしら。
彼のベートーヴェンのソナタもいくつか残している。私が聴いたことがあるものは、正規録音ではこの4番と32番。ライヴで11番と12番。
なんでこういった選曲になったのか知る由もないが、とりあえず残されたことに感謝である。
ベートーヴェンはこの4番ソナタを1796年から1797年にかけて作曲している。彼が26歳の頃の作品だが、あまり人懐っこい曲ではないように思える。全体のトーンは後期の一群のソナタのような佇まいで、特に第2楽章の内省的な静けさを聴くと、思わず居住まいを正したくなるような(実際には寝転んだままだったが)緊張感を感じる。
ミケランジェリはこの部分を弾きたいがためにこの曲を録音したのではないだろうか、と想像するのだ。彼はいつも通りゆっくりなテンポでカチカチに弾ききっていて、なんというか遊びがないから、余計にこの音楽の静寂感が際立つ結果になっているようだ。PR
無題 - rudolf2006
Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司
ミケランジェリ、芸風は少々変わっているというか、とてもユニークなピアニストですが、正規の録音はみんなすばらしいです。残された数少ないベートーヴェンも聴き応えがあります。
ゼルキンはいいですね。私にとってはグルダと並んでひとつの基準となっています。あとグルダやグールド、それからリヒテルも好きです。
4番は幾何学的ですか、なるほど、今晩も聴いてみます。
2007.04.09 18:16
無題 - Niklaus Vogel
Re:Niklaus Vogelさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司
ベートーヴェンのソナタ、みんなで記事を書くのは面白いです。私の選択は、多分オーソドックスになりますし、特定のピアニストが何回も登場することになろうかと思います。
ソナタ全集の記事は、なるべく早く終わらせようと思う反面、もっとだらだら続けたいとも思うのです。この調子では私も1年くらいかかってしまうかも知れません。
2007.04.12 23:24
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