ブダペスト弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲4番を聴きました(1958年11-12月、ニューヨークでの録音)。
個人的には、いわゆる初期の弦楽四重奏曲のなかでこの4番をもっとも好んでいます。1800年頃に書かれた作品であり、「運命」のハ短調であることから、1楽章は悲劇的な色調に染められています。
それもあり、この曲は若書きのみずみずしさのなかに、中後期の深みが滲みでている作品だと思います。
ブダペストの演奏は、テンポはいくぶんゆっくり目。とくに1、3楽章。ひとつひとつの音を噛みしめながら、じっくりと弾いています。相変わらず、中低音部であるヴィオラとチェロの存在感が大きいところが特徴です。ロイスマンの切り込み鋭い、かつ艶やかなヴァイオリンと同じくらいに、音が出ている。そのため、音楽にたっぷりとした厚みと立体感が生み出されています。このことは以前にも書いて今回も書きましたが、今後も書いていきます(笑)。
これもいい演奏です。
ヨーゼフ・ロイスマン(Vn)
アレクサンダー・シュナイダー(Vn)
ボリス・クロイト(Va)
ミーシャ・シュナイダー(Vc)
パースのビッグムーン。
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