ブダペスト弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲13番を聴きました(1961年5月、ニューヨークでの録音)。
ブダペストによる新しいほうのベートーヴェン全集、1番からゆるゆると聴き進め、ようやく後期にたどり着きました。
後期の曲はどれも素晴らしいのですが、最近の気分は15,13,14。13番は「大フーガ」と差し替えられた楽章がたまらなく好きなのだけど、演奏によっては割愛されることがある。今日はCDの収録順に、「大フーガ」を除く6楽章までを聴きました。
ブダペストの演奏は、いままで聴いた初期・後期と同様に鋭角的なフォルムを築きますが、ほんのりとした木の温もりがふっと顔を覗かせるところがいい。1楽章の主題に入るところなどは、4つの楽器がすごい勢いで火花を散らせていますが、不思議と暖かい。
2楽章は嵐、3楽章は穏やかな日だまりのよう。愛らしい4楽章を経て5楽章のカヴァティーナ、硬質で毅然とした弦の響きに酔いしれました。
6楽章は、一息ついたかのようなベートーヴェンの軽やかな気分を、洒脱に演奏しています。
ヨーゼフ・ロイスマン(Vn)
アレクサンダー・シュナイダー(Vn)
ボリス・クロイト(Va)
ミーシャ・シュナイダー(Vc)
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