フランチェスカッティのヴァイオリン、ワルター指揮コロンビア交響楽団の演奏で、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲を聴きました(1961年1月、カリフォルニア、ハリウッドでの録音)。
この演奏を中学生だか高校生のとき、図書館で借りたレコードで聴いたような記憶があるけれど、中身を全然覚えていない。フランチェスカッティを聴きたかったので、先日ユニオンに並んでいたものを購入。
冒頭のティンパニに続くオーボエの音が細くて軽やか。ああコロンビア響だなぁ、としみじみ。しばらくしてヴァイオリン・ソロが入ると、音がいささか生硬。録音の塩梅か、拙宅の装置の問題でしょう。ヴァイオリンの音色は録音が硬いと往々にして貧弱になることがあるけど、ここではむしろ凛とした香気を纏わせているところがさすが。
テンポは中くらいか、いくぶん速め。ときおり顔を出すポルタメントは自然でありつつ上品。
オケではファゴットがなんとも味わい深く、滋味深いヴァイオリンと相まって夢心地。
カデンツァはクライスラーのようですが、3楽章の始めの部分はだいぶ味つけをした感じに聴こえます。
折り目正しく毅然としたワルターの指揮も素晴らしいと思います。
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