ハンガリー弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲8番「ラズモフスキー2番」を聴きました(1953年11月、パリでの録音)。
ハンガリーによる全集を、ズスケSQ、アルバン・ベルクSQとほぼ並行して聴き進めています。
彼らの演奏は、1970年頃から出現した「スーパー・カルテット」とは趣が異なり、どこか牧歌的な味わいがあります。
1楽章アレグロは、比較的速めのテンポでグイグイ推進します。ザラついた響きからは木の香りが漂うかのようです。
2楽章モルト・アダージョは、ツェルニーが「星のきらめき」と評した音楽。中庸なテンポ。伸びやかなヴァイオリンの音色からは、いのちの震えを感じないわけにいきません。
3楽章は中間部にロシア民謡からの引用があることでも有名です。トリッキーな主部、中間部ともに速めのテンポ。お祭りのような躍動感に溢れています。
4楽章はプレスト。中庸なテンポの楷書、どっしりとしている。ヴィオラとチェロによるリズムがクッキリと浮かび上がります。
ゾルターン・セーケイ(ヴァイオリン)
アレクサンドル・モシュコフスキ(ヴァイオリン)
デーネシュ・コロムサイ(ヴィオラ)
ヴィルモシュ・パロタイ(チェロ)
パースのビッグムーン。
PR