カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で、チャイコフスキーの交響曲6番「悲愴」を聴きました(1976年5月、ベルリン・フィルハーモニーでの録音)。
最初に「悲愴」を聴いたのは、小学6年のとき。カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団の演奏です。
当時、秋葉原にあった石丸電機でレコードを買いました。当初の目的は、ベートーヴェンの「田園」だったのです。物色していくうちに、「田園」の他に「悲愴」と「新世界より」がカップリングされた2枚組のレコードを発見したのです。廉価だったので、それを購入しました。「悲愴」との出会いは偶然でした。
その演奏は、いまでも第1級のものだと思っています。
さて、カラヤンはこの曲を7度だか8度だかセッション録音したと云われています。売れる、ということもあったのだろうけど、好きだったのでしょう、きっと。
ベルリン・フィルとのコンビだと、1970年くらいにEMIで収録したものが、世評高い。あれはなんとも、豪壮な演奏です。オーケストラの威力というものを、あんなに心底知らしめてくれる演奏は、そうそうない。
それに比べると、この1976年盤は、すっきりとしています。スリムな感じ。この時期のベルリン・フィルは、60年代と比べてティンパニのバチが小さいのですよね。その効果が如実にわかる演奏でもある。
響きは壮麗なのだけれど、ところどころ弦楽器がポルタメントを使っており、感傷的な側面を強調している。そこに、とても親しみを感じます。
暴れんばかりのベルリン・フィルのパワーを、カラヤンが巧みに抑え込んでいる、そんな印象を持ちます。
パースのビッグムーン。
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