5月からミドリガメを飼っている。名前はチンチョン。
いままで毎日固形の餌を30個食べていたのに、ここ2週間ほど食欲がない。というか、全然食べない。
人見知りなのでいつも岩の下にいるから、ほうっておくと、生きているのか死んでいるのかわからない。だから、たまに岩をどけて生命の確認をしている。すると、普通に元気なのである。
本やネットなどの情報によれば、亀は食べたいときに食べるが食べなくても平気だとか、冬眠する準備をしているとか諸説あるが、基本的に水が冷たくなるとエネルギーをセーブして食べなくても大丈夫なようになっているらしい。
そこで、おもむろに西武百貨店へ行き、サーモスタットなる装置を買った。これをつけると、冬場でも水温が25、6度に保たれるのだそうだ。
頼むから冬眠しないでくれ。
ギレリスのピアノで、ベートーヴェンのピアノ協奏曲3番を聴く。
これは、1969年のザルツブルク音楽祭での実況録音である。録音そのものは全体的に硬めなのだが、ギレリスのピアノのタッチは柔らかい。一時期は鋼鉄のピアニストなどと呼ばれていたが、ここでは硬軟織り交ぜた柔軟性のある演奏を繰り広げている。
全体を通してやや速めのテンポで進む。微妙なテンポの揺れに味がある。粒立ちのよい音で、しかも広がりを感じるのはマイクが遠めにあるせいだろうか。
彼はDGにベートーヴェンのソナタ集を入れているが、音質が硬めだ。なのでひょっとすると、あれがギレリスの音なのかと一時期は思っていたが、そうでもないようだ。
酸いも甘いもわかった大人のピアノ。なんのこっちゃ。
セルのオケはくっきりとエッジが立っている。ブラインドで聴いたら、ウイーン・フィルだとはわからないかもしれない。
終楽章のラストでは、ピアニストを煽る、煽る。ヴァイオリンのキザミが緊張感を増す。
ギレリスも負けていない。情熱がこもった、かつテクニカルな応酬でこたえる。
エミール・ギレリス(ピアノ)
ジョージ・セル指揮 ウイーン・フィルハーモニカー
1969年8月24日、ザルツブルク祝祭大劇場でのライヴ録音。
雨粒が伝わり落ちるユーカリ。
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