忍者ブログ

ズスケ四重奏団、ベートーヴェン、"ハープ"

2017.07.27 - ベートーヴェン

ma




ズスケ弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲10番「ハープ」を聴きました(1975年5月、ドレスデン、ルカ教会での録音)。


「ハープ」は、ベートーヴェン中期の弦楽四重奏のなかで、もっともウィットがきいた音楽ではないかと思います。
「ラズモフスキー」ほどには自由気ままではなく、「セリオーソ」ほど堅苦しくない。
中年ベートーヴェンが肩の力を抜いて描いた、率直な作品。
吉田兼好の言葉があります。「何事も、珍しき事を求め、異説を好むは、浅才の人の必ずある事なり」。
ラズモフスキーを書くベートーヴェンを浅才というわけではありませんが。(笑)

ズスケ四重奏団の演奏は、相変わらずいい。これ以上、なにを望んでいいのかわからないほど。
アンサンブルの緊密さといい、コクのある音色といい、テンポの加減といい、ひっかりなく腑に落ちます。

とりわけ、ズスケのヴァイオリンは見事。ひとつあげれば、1楽章の第1主題の後半、徐々に上昇していって、急にストンと落ちるところのポルタメントの按配は、なににも替えがたい、瞬間の美と言えるかもしれません。まるで音楽のすべての魅力が凝縮されているかのよう。
ズスケはやっぱり素晴らしいヴァイオリニスト。


カール・ズスケ(第1ヴァイオリン)
クラウス・ペータース(第2ヴァイオリン)
カール・ハインツ・ドムス(ヴィオラ)
マティアス・プフェンダー(チェロ)









ma
 
パースのビッグムーン。














PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
4 5 6 7 8 9
11 12 13 14 15 16
18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新TB
カテゴリー