ゲヴァントハウス弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲7番「ラズモフスキー1番」を聴く(2002年6月の録音)。
これは、雄弁でふくよかで、温かみのある演奏。
ベートーヴェン中期特有の、はちきれんばかりの熱気が漲っているこの曲を、正面から捉えて直球勝負を挑んでいる。
冒頭のチェロを始め、各楽器は勢いがあってキレもよく闊達。それぞれの音は分離がいいから、ひとつひとつを明瞭に聴きとることができる。
それでいて生硬さはなく、柔らかな響きを醸し出している。とりわけ、3楽章アダージョの清澄な調べはたまらない。
全体を通して、オーソドックスでいて、とてもイキイキとした演奏だから、誰にでもお勧めできるかも。
フランク・ミヒャエル・エルベン(ヴァイオリン1)
コンラート・ズスケ(ヴァイオリン2)
フォルカー・メッツ(ヴィオラ)
ユルンヤーコプ・ティム(チェロ)
パースのビッグムーン。
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