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イストミン、ローズ、スターン、"トリプル・コンチェルト"

2016.06.26 - ベートーヴェン

ma



イストミンのピアノ、ローズのチェロ、スターンのヴァイオリン、オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団の演奏で、ベートーヴェンのトリプル・コンチェルトを聴く
(1964年4月、フィラデルフィア、タウン・ホールでの録音)。


昔、どこかの音楽評論家が、ベートーヴェンの数少ない駄作はトリプル・コンチェルトとウェリントンの勝利だ、というようなことを云ったのを覚えている。
ウェリントンはともかく、トリプル・コンチェルトは、編成がかなり珍しいものだし、作品そのものにも大きな魅力がある。メロディーはそこそこ美しいし、構成の堅固さは手練のものだし、3つの楽器の生かし方も不足はない。
駄作とは思えないが、どうだろうか。

1楽章は、低弦による雄大な主題で始まる。フィラデルフィアの息の深いうねりが素晴らしく、大曲の威容がある。ソロの最初はチェロ。ローズの音色は相変わらず肌理が細かい。次にヴァイオリンが加わり、やがてピアノ。イストミンの明晰なタッチはいつ聴いても気持ちがいい。
以降、ピアノ・トリオが軸となり、オーケストラは伴奏に徹する。フィナーレの盛り上がりは凄い。

2楽章はラルゴ、短い。ここも出だしはチェロ、たっぷりとした響き。ピアノのオブリガートでふたつの弦楽器が鳴るところは、せつないほどに麗しい。

アタッカで3楽章のロンドへ。やはりチェロで始まる。オーケストラは、ここにきて見せ場が来たという感じ、大きな広がりがあり雄弁。
5:20あたりからの、3人のソリストによる腕比べ大会はたいした迫力。ここらあたりから音楽がぐんぐんと推進力を増していき、終結まで一気呵成に突き進む。







ma
 
春。








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Comment

トリプルコンチェルト - リベルテ

このトリプルコンチェルトを駄作と決めつけていた批評家はホントに何だったでしょうね。しかも例のカラヤン、オイストラフ、ロストロ、リヒテルの録音が出ると手のひらを返すように名曲扱いしてましたね。録音見てると名だたるトリオを組んでいた名手によるものが沢山あります。ベートーベンチェロ協奏曲残さなかった分も含めてこのように曲聴きたいものです。
2016.06.27 Mon 06:20 URL [ Edit ]

リベルテさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

ウェリントンとこの三重協奏曲は、昔は駄作との声がいくつかありました。
今までは、フリッチャイの演奏(フルニエがチェロ、シュナイダーハンがヴァイオリン、アンダのピアノ)を好んで聴いていたので、このオーマンディ盤を楽しみにしていました。
果たして、よかったです。
おっしゃるように、チェロのコンチェルトを遺さなかったベートーヴェンの、唯一ともいえるチェロによるコンチェルト、大事にしたいです♪
2016.06.27 21:40

トリプル・コンチェルトは原点です - lumino

芳野さま、こんばんは。
いつも読み逃げばかりで失礼をしています(*^_^*)
ベートーヴェンの「トリプル・コンチェルト」は私にとってはクラシック音楽愛好家となるキッカケとなった恩人のような作品です。
ですが、ベートーヴェンの作品の中では駄作と評されていたのは有名なことだったのですね。
幸い(?)「駄作」と評されていたことも知らず、初めて聴いた時(オイストラフ、ロストロポーヴィチ、リヒテル;カラヤン&ベルリン・フィル)から虜になってしまいました。
ピアノ・パートはルドルフ大公のために書かれたそうで、そのピアノ・パートが弱い、と何かで読んだ記憶がありますが。
決して駄作などではないですよね。
以前、ruodlf2006さまの「トリプル・コンチェルト」についての記事を拝読し、ホッとしたものでした。
そして今回、芳野さまの記事を拝読させていただき、またホッとしています。
最近、聴いたのはアラウ、シェリング、シュタルケル;インバル&ニュー・フィルハーモニアO.です。
こちらの記事のオーマンディ盤も是非、聴きたいと思います。
2016.06.27 Mon 19:51 [ Edit ]

luminoさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

いえいえ、こちらこそ、拝読ばかりで失礼をしております。
おお、恩人ですか~。
私もクラシックを聴き始めの頃はそう思っていたのですが、ruodlf2006さんの投稿などもあり、この曲を好きになりました。
聴いてみると確かに、ルドルフ大公のピアノはわりと軽い気がします。それにくらべ、チェロはかなりの活躍、技巧的にも難しいとみました。
インバル盤、よさそうですね~、いつか聴きたいと存じます!
2016.06.27 21:44

トリプル・コンチェルト - narkejp

同じ時代に、同じ某評論家の噴飯物の記述を記憶された方が、ここにもおられるようですね。私にも、その記述の記憶があります。
http://blog.goo.ne.jp/narkejp/e/b6b542233e08689cd3c3f6cfa54c565d
けっこういい曲だと思いますね~。演奏会で取り上げられる回数が少ないのは、むしろソリストを三人も集めなければいけないので、営業的に大変だからじゃないでしょうか(^o^)/
2016.06.27 Mon 20:17 URL [ Edit ]

narkejpさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

ご無沙汰しております。
拝読しました。
おお、フライシャーの「皇帝」の余白に、この演奏が入っていたのですね。なんと贅沢な!
おっしゃるように、トリオをまず揃えないといけないから、実際に演奏するのは大変そうですね。現役の常設トリオは、トリオ・ヴァンダラーくらいでしょうか、あとはスターを三人あつめて、といった感じになるかと。
この曲、とりわけ2楽章~3楽章を気に入りました。どこに出しても(?)恥ずかしくない、堂々とした協奏曲だと思います。
2016.06.27 21:48

お久しぶりです。 - アソー

お久しぶりです。
皆様のご意見と重なりますが、トリプルコンチェルトは余り演奏されませんし、音盤も少ないですが、凡作と切って捨てるには惜しい曲ですよね。
堂々とした第一楽章なんかいかにもベートーヴェンらしい曲調ですし、とてもいい曲だと思います。あのカラヤンが二回も録音している事実が、全てを物語っていると思うのですが…。
そのカラヤンの二枚を尻目に、私が好きなのはオイストラフトリオとサージェントのLPです。ヴァイオリンとチェロパートが素敵ですね。
2016.06.28 Tue 22:55 [ Edit ]

アソーさん、こんばんは! - 管理人:芳野達司

ご無沙汰しております。
おお、やはり、この曲を買っておいでですか。
先入観なしに聴いたら、まことに堂々とした佇まい、じつに立派な音楽ですね。そして、ソロの聴きどころも少なくない。
確かに、カラヤンは2回やっていますね。録音の絶対数が多いとはいえ、この曲を2度録音するというのは尋常ではありません。新盤は、まだ聴いていません。
オイストラフ・トリオとサージェントですかあ。聴いてみたくなりました!
2016.06.29 21:21

お早うございます… - rudolf2006

芳野さま お早うございます…

皆さま 言っておられるように…「駄作」と決めつけた方、聴いておられなかったのかも…爆
この曲は演奏会では取り上げられないと思いますが、ゼルキン師も録音していますし… スークなどの録音もありますし…
演奏家の皆さんは名曲と思っておられるのではないでしょうか…

オーマンディ師と3人の演奏、素晴らしいの一言です
▼・。・▼
2016.07.01 Fri 05:38 URL [ Edit ]

rudolf2006さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

しみじみいい曲です。
この曲の良さを知ったのも、rudolf2006さんの投稿からだったと記憶します。
最近では、ブラームスのピアノ四重奏曲2番が気になっています。
いつもいい刺激をくれて、ありがとうございます!
2016.07.01 20:33
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