アマデウス弦楽四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲12番を聴く
(1963年3-4月、ベルリン、ウーファ・スタジオでの録音)。
アマデウス四重奏団のベートーヴェンを聴くシリーズを、勝手に開催している。もう、後期に入ってしまった。
初期のいくつかは、良く言えば朴訥、悪く言うならばおおざっぱなアンサンブルであることを感じていた。でも、中期のラズモフスキー、ハープと進むにつれ、だんだんと馴染んできた。彼らの演奏もそうだが、聴き手である私にとっても。
そして12番。後期の作品のなかでは、15番と並んでおっとりしているから、見逃しがち(?)であるが、じつに滋味深い作品である。ここにきてアマデウスは、最高に近いパフォーマンスをみせる。実際、録音年代を鑑みると、最後の16番と並んで、一番最後に録音されている。
さてこの作品は4楽章で構成されていて、時間としては2楽章アダージョが全曲の4割を占める。雄大豪壮。
他の楽章と比べて、とっつきにくい。ゆえに、いとおしい。
なんかもう、浮世離れしていて、仕事のことなぞ忘れてしまうような音楽である。ああ自分にとっては、仕事は二の次、音楽が一番だったのだな、ということを改めて思い知らされる、毒のような音楽である。勤め人は、要注意。
明日は、仕事に行けるのだろうか?(笑)
春。
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