アルバン・ベルク四重奏団の演奏で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲1番を聴きました(1980年6月、スイス、セオンでの録音)。
ベートーヴェンが最初に書いた四重奏曲は、屈託の少ない、涼しげな音楽。
16曲(大フーガを別とすれば17)すべてがいいようもなく素晴らしいけれども、1番は、技術的にはすでに完成されているように思います。
アルバン・ベルクSQのベートーヴェンの演奏は、バラ売りではいくつか持っていましたが、ようやくまとまったものを入手しました。
もうけっこう前に発売されたものだから、通常は評価は固まりつつあるものですが、あやふやですね。というか、賛否両論ある。
この1番に関して言えば、彼らの音は、EMIの録音の按配もあるのだろう、ややくぐもって聴こえます。ひとつひとつの楽器の輪郭がはっきりしない感じ。そして4名が一斉に弾くと、混沌とした塊になってしまう。響きがいささか重苦しいのです。
エルベンの押しの強いチェロは魅力的ではあるけれど。
この全集も、続けて聴いていきます。
ギュンター・ピヒラー(Vn1)
ゲルハルト・シュルツ(Vn2)
ハット・バイエルレ(Va)
ヴァレンティン・エルベン(Vc)
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