カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で、チャイコフスキーの交響曲4番を再び聴きました(1976年12月、ベルリン、フィルハーモニーでの録音)。
この曲を知ったのは中学生のとき。友達から教わりました。勧められるまま、このカラヤンのレコードを買い、聴いて夢中になりました。気がつけば、その日のうちに4回針を通していました。
いまでもそのLPは持っているのだけれど、レコードはご無沙汰しています。
1楽章は豪壮。すべての楽器がうなりをあげています。金管も木管もティンパニも、まあよく鳴るもんだ。とりわけ、ベルリン・フィルの持ち味である低弦の威力は絶大で、全体のトーンを決めています。
2楽章は、まずオーボエ。ふっくらとした響きは北国の憂愁を湛えており、温かみを纏いながらも、佇まいは毅然としています。ローター・コッホでしょうか。
分厚い弦楽器も雰囲気があります。
3楽章は、コントラバスのピチカートが、寺の鐘のようにゴンゴンと鳴るところが面白い。重厚極まれり。
4楽章は、なめらかでスマートでありながら凶暴な演奏。オーケストラの機能を最大限に生かしているところは、ショルティ/シカゴに似ていて、そこにドスをきかせた感じ。
ラストは壮絶。金管が咆哮し、シンバルが激しく炸裂、弦が軋み、ピッコロが空気を切り裂く。
全体を通して演奏の精度はとても高い。この全集中の白眉だと思います。
パースのビッグムーン。
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