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アフターダーク、スイトナー、英雄

2011.11.19 - ベートーヴェン
   
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ベートーヴェン「英雄」 スイトナー指揮ベルリン・シュターツカペレ


村上春樹の「アフターダーク」を読む。初めて手に取る本と思っていたが、途中で読んだことがあることに気づく。やってしもうたが、内容はもちろん忘れているので最後まで読んだ。
ラブホテルの従業員の身の上話がなまなましい。若い時の過ちによって、家族を捨てて暴力団から逃げ惑うはめになる女。身を隠すには、世間に顔を見せることのないラブホテルがいいという痛々しい処世。暴力シーンがないからむしろ、暴力の匂いがぷんぷんする。想像するとじわじわ怖い。
なお、別の登場人物がデニーズの「チキン・サラダ」をしきりと絶賛するが、まあこれは、さほど食べたくはならなかったナ。






スイトナーの「英雄」。これも昔聴いたことがあるような気がするが、やはり定かではない。
冒頭の和音から、ベルリン・シュターツカペレの豊満で柔らかい響きがおいしい。きめの細かい泡のようにふんわりとしていて、吹いたら飛んで行ってしまいそうなはかなさがある。たっぷりと空間をとった録音も、そうした効果を上げている。
1楽章のクラマックスは、最初がトランペットによる主題ありで、2回目はなし。ベートーヴェンはトランペットを指定しなかったらしいが、どちらがいいのか、いつも悩ましいところ。片方ありは他の演奏でも聴いたことがあるが、この演奏でも楽しめる。
トランペットがあるほうが自然に感じるけど、なければそれを補うように木管が気合いを込めて吹くところもけっこう好きだ。


1980年6月、東ベルリン、キリスト教会での録音。
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Comment

無題 - 木曽のあばら屋

こんにちは。
「アフターダーク」は村上春樹の長編としては印象の薄い作品ですね。
私も読みましたが、どんな話だったかな・・・。
眠り続ける女性が出てくるんでしたっけ、
あと冒頭にジャズ・トロンボーンを吹いてる青年が出てきたような。

スイトナーのベートーヴェンはかつてよく聴きました。
中庸の美というのか、とても素直で美しい演奏だと思います。
この全集は好きだなあ。
2011.11.19 Sat 18:11 URL [ Edit ]

Re:木曽のあばら屋さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

たしかに、「アフターダーク」はちょっと印象が薄いかもしれません。2度読んでようやく読んだ気になりました。
トロンボーンの青年がチキンサラダを薦めていました。ブロイラーの鳥よりたばこのほうが体に悪い、なんて話をしていますね。

スイトナーのベートーヴェン、ワタシも以前に田園とか5番を聴きました。ベルリン・シュターツカペレがいい味を出していると思います。
録音もよいですねえ。
2011.11.20 17:41

無題 - Yuniko

スイトナーのベートーヴェン、父がLPである程度買いそろえており(3・5・6・9だったかな。要するに有名どころ)、それを聴かせてもらっていました。ベートーヴェンの胸像をアップにしたジャケットが重厚でした。
演奏も、重厚だけど温厚で素朴なものだったと記憶しています。
LPで聴いていたときは気付かなかったけど、英雄第1楽章終結部のトランペットは、そんな細工をしているのですね。へぇ~~~~。
第5もギュルケ校訂版を使用していたと当時の宣伝文句に書いてあったのを覚えています。要するに、第4・第6・第7のスケルツォに合わせて、スケルツォのトリオが2回繰り返されている・・・だったかな?
スイトナーのベートーヴェン、HMVのレビューでもベタホメですね。買おうか買うまいか、ずっと思案中です。
2011.11.29 Tue 23:43 [ Edit ]

Re:Yunikoさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

スイトナーのベートーヴェンは、発売当時は確か単発で出ていた記憶があります。その頃は学生だったので、区内の図書館をはしごしてLPを借りまくっていまして、スイトナーのベートーヴェンは5番や6番を聴いていました。
ベルリン・シュターツカペレの素朴でやわらかい音がとてもよくて、録音も素晴らしかったのです。
そうそう、第5はギュルケ校訂版でした。なにが違うのか当時は(今でも)わかりませんでした。
スイトナーのベートーヴェン、全部を聴きたいと思う反面、この種目は競合盤も多いので悩ましいです^^ 最近は、C・デイヴィスとドレスデンのものや、クリップス(缶に入ったもの)などが気になっています。
2011.11.30 23:28

無題 - Yuniko

おはようございます。
ギュルケ校訂版について興味を持ったので調べたところ、「第5の初演時には第3楽章スケルツォのトリオ後にリピート記号が付き、トリオを2回繰り返す形で演奏された。その後は楽譜の出版時にベートーヴェンの指示によってそれが削られた。さらにその後に2転3転あったが、第3楽章のリピート記号を完成時のベートーヴェンの意向として復活させたのがギュルケ校訂版ということでした。
・・・・・・何やら難しいというかややこしい話で、やっぱりよく分かりません。今はピリオド楽器流行ですが、そんなこだわる話なの?という感じです。
個人的な感想では、「第3楽章のリピートはやらなくてよい」です。
2011.12.01 Thu 06:51 [ Edit ]

Re:Yunikoさん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

いつもコメントをありがとうございます。

ギュルケ校訂版、たしかにややこしい話ですね。
ベートーヴェンもそうですが、ブルックナーなんかも版の問題が複雑だったりしますね。版に着目して聴かないせいか、違いがいまひとつわかりません。インバルの使っていた第1稿とかクナッパーツブッシュの改訂版とかだと、さすがに違いを感じますが、それ以外は大同小異なのじゃないかなあと。乱暴かもしれませんが、そういう聴き方しかできないようです。ベートーヴェンから話がそれちゃいましたが…。
2011.12.01 21:10
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