ベルリオーズ : レクィエム デュトワ指揮 モントリオール交響楽団、他桜並木とぼんぼり。
神田川の花筏。
デュトワの指揮でベルリオーズの「レクイエム」を聴く。
これは柔らかでクールな演奏。よく訓練された合唱を前面に押し出して、さわやかな抒情性を醸し出している。肌理細やかなコーラスがこの演奏の主役だ。
例えば、「ディエス・イレ」では、大管弦楽を抑えに抑えて、派手さをみせない。ブラスと打楽器の炸裂を期待していると裏切られるだろう。この曲がこんなにマイルドに演奏されるのを他に聴いたことがない。あくまで響きの調和重視といった感じ。美しい。
モントリオール響は相変わらず薄味で繊細。それがこの演奏の土台になっているともいえる。
テノールのエインズリーも線が細く、全体のスタイルに合っている。
良くも悪くも、デュトワらしいベルリオーズ。
好みからすれば、もっとダイナミックな演奏がいいと思うけれど、これはこれで見識である。
ジョン・マーク・エインズリー(テノール)
モントリオール交響楽団合唱団
合唱指揮:イワン・エドワーズ
1997年5月、モントリオールでの録音。
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