ベルリオーズ:ファウストの劫罰 ミュンシュ指揮 ボストン交響楽団、他小日向の本法寺の桜。
白とピンクのコントラストが面白い。
ミュンシュの指揮でベルリオーズの「ファウストの劫罰」を聴く。
一聴してわかるのは、独唱陣のフランス語。チョン盤やナガノ盤ではあまり意識していなかったが、この演奏の独唱陣の発音は鼻に抜けていて、いかにもフランス語という感じがする。ことにダンコとポレリの歌唱が光る。
そういう意味で、まずは「おフランス」の香りが濃厚に漂っている演奏だ。
オーケストラは、世評ほどフランスっぽくない。ボストン響はよくフランスの音に近いと言われるが、どこがそうなのか未だによくわからない。当時はミュンシュが監督で、フランス音楽を得意としていたからなのではないだろうか。パリ音楽院なんかとは全然違う。合唱もとりたてて。独唱陣のみが飛びぬけておフランス。
全体を通してミュンシュらしい元気のある演奏である。健全でまっとう。いざというときのデリケートさにも欠かない。ことに「妖精の踊り」はハープの音色が軽やかで雰囲気たっぷり。「地獄の首都」は案外おとなしい。全体を通して、合唱は少々荒いかも。
録音はモノラルだが、状態は良い。
シュザンヌ・ダンコ(ソプラノ:マルグリート)
デイヴォッド・ポレリ(テノール:ファウスト)
マルシアル・サンゲル(バリトン:メフィストフェレス)
ドナルド・グラム(バス:ブランデル)
マッケンリー・ボートライト(バス:地上のエピローグ)
ハーヴァード・グリー・クラブ
ラドクリフ合唱協会
合唱指揮:G.ウォーレス・ウッドワース
1954年2月、ボストン、シンフォニー・ホールでの録音。
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