ワルター指揮ニューヨーク・フィルの演奏で、ベルリオーズ『幻想交響曲』を聴きました(1954年11月、ニューヨーク、カーネギー・ホールでのライヴ録音)。
歳上の友人から『幻想』のレコードをいくつかいただいたので、これらに針を落としてみようかと思います。まず、ワルター。
セッション録音は安全運転だけど、ライヴとなると一転激しい演奏をする音楽家は少なくないようで、ワルターもその一人ではないでしょうか。
ここでは1楽章からテンポを大きく揺らしています。ときには、激情的と云っても大袈裟ではないくらい。フルトヴェングラーが振ったら、こんなふうになったかも知れない。わからないけど。
4,5楽章は音が少なく感じます。弦の他は、ラッパとティンパニだけが前面に出ているような。録音状態に依るものでしょう、平板な印象は拭えない。それでも、重厚に突き進むフィナーレの迫力は大したもので、手に汗を握らずにはいられません。
ニューヨーク・フィルはとても上手い。特に木管楽器は目鼻立ちがクッキリしており、涼やか。時の音楽監督ミトロプーロスがきめ細やかに鍛えた成果ではないか、とは憶測です。
PR