ストコフスキー指揮ニュー・フィルハーモニア管弦楽団の演奏で、ベルリオーズの『幻想交響曲』を聴きました(1968年6月、ロンドン、キングズウェイ・ホールでの録音)。
3楽章まではわりとオーソドックス。舞踏会におけるハープのただならぬ大音量を除いては。
4楽章は華やかに賑わう、どこかのラテンの国の祭りのよう。トランペットは10名くらいいるのでは?と思わせられるくらい。ここまで派手だと気持ちがいい。
5楽章の鐘は、まるで日本の古びた寺院を想起させる。燻んでおり、荘重でもある。湿り気のある音色。
ラストは、楽譜には書かれていないであろう、サスペンデッド・シンバルの高笑いで終結。なるほど、この曲ならこういうのはアリかも。
ストコフスキーといえばケレン味。作曲家がそれを聴いたなら悶絶するかもしれないようなことをここでもやっているけど、ベルリオーズがもし立ち会っていたらどういう顔をしただろう。ニヤリと含み笑いか、あるいは?
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