ショルティ指揮ヨーロッパ室内管弦楽団・他の演奏で、モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」を聴きました(1994年のライヴ録音)。
スターを集めた歌手陣をさしおいて、まずオーケストラにひきこまれました。以前に聴いたムーティ/ウイーン・フィルのも才気煥発この上ない演奏だったけど、ここでのショルティも目覚ましい。オーケストラの性質の違いもあるのだろうけど、こんなに目鼻立ちのクッキリとしたコジは聴いたことがないかも。
さて、歌手。
オッターはもちろん、フレミングもどちらかと云えば厚い声の持ち主だと感じる。でも重くなることはないし、ときに聴かせる技巧的な歌には感服させられないではいられない。ともに、グラマラスな恋人。
ベーアは、彼がシューベルトのリートを歌っていたころによく聴いた歌手。ふくよかな声は、当時まだ健在。
スカラベルリ演じるデスピーナは、ムーティ盤におけるバトルほどのインパクトはないものの、声そのものの美しさで聴かせる。なんとも上品。
フィナーレは一気呵成。あたかも金メダリストの短距離走のよう。「コジ」を聴いてこんなに血沸き肉躍るとは思わなかった。さすがショルティ!
フィオルディリージ … ルネ・フレミング(ソプラノ)
ドラベッラ … アンネ・ソフィー・フォン・オッター(メッゾ・ソプラノ)
フェランド … フランク・ロパード(テノール)
グリエルモ … オラフ・ベーア(バリトン)
デスピーナ … アデリーナ・スカラベルリ(メッゾ・ソプラノ)
ドン・アルフォンソ … ミケーレ・ペルトゥージ(バス)
合唱 … ロンドン・ヴォイセズ
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