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ホロヴィッツのベルリオーズ「ラコッツィ行進曲」

2007.06.20 - ベルリオーズ

ホロヴィッツ

ホロヴィッツ 名曲集


渋谷区松濤のスパの火事。事故そのものはさほどめずらしいものではないが、新聞などの報道を見て改めて思ったこと。
被害者の情報は載せるべきではないと思う。
こういった事故だけではなく、毎日のように報道される殺人事件もそうで、容疑者の写真を掲載するのはいいとしても、被害者の写真を載せる理由がよくわからない。
台湾などでは、テレビのニュース番組で、被害者の顔にはモザイクがかかっている。被害者側に立った見識であり、しごくまっとうである。
ここ日本では、未成年の容疑者の顔は出さないくせに、未成年の被害者の顔は堂々と公開する。理由はなにかというと、視聴者や読者の好奇心をそそるから、としか考えられない。どうなのだろう。
被害者としてはまさに踏んだり蹴ったりである。ひどい話だと思う。


と、いきりたった気分を鎮めるには、目には目を(?)、ホロヴィッツのヴィルトゥオーソぶり。
彼のピアノは、ときにはっきりと下品に鳴らすことがあるが、このベルリオーズはその最たるものだ。
冒頭から、ピアノが壊れるんじゃないかと心配なくらいに打ち鳴らす。すきっ腹に響く低音からカナキリ声のような高音まで、まんべんなく品がない。
大道芸の最高峰を観るような気分にさせられる。今、こんなピアノを聴かせてくれるヒトはなかなか見当たらないし、いたとしてもここまでは吹っ切れるものではないだろう。
「ラコッツィ行進曲」には、ミュンシュやショルティやセルなど、ごつい演奏がいくつもあるけれど、ホロヴィッツひとりにかなわない。1人が100人に勝った、珍しい例である。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます

確かに被害者のことを根掘り葉掘り報道するのは、どうかなって思いますね。二重の被害に会うようなものですよね。

ホロヴィッツというのは、演奏家というよりも、芸人(良い意味ですが)という感じがします。どんな風に演奏すれば、聴衆が喜ぶか、それに自分の技が一番良く伝えられるかを、考えていたピアニストではないかなって思ったりもします。
「カルメン変奏曲」なども、そういう感じしますね。

ミ(`w´彡)
2007.06.21 Thu 05:15 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
ホロヴィッツというのは、演奏家というよりも、芸人、同感です。クラスで一番ピアノがうまい子がみんなにみせびらかすことの、延長線の先端にいるようなヒトだと思います。
一般にクラシック音楽で技巧をひけらかすのは、あまりいいこととはされていませんが、ときに彼はそこにヨロコビを見出していたような演奏をすることがあって、ユニークです
2007.06.21 06:45
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