幻想交響曲の聴きくらべ、最終回はブーレーズ指揮ロンドン交響楽団の演奏(1967年10月、ロンドンでの録音)。
この演奏、最初に触れたのは中学の時。図書館でレコードを借りてでした。そのときの印象は『のっぺりしている』。当時はもっぱらながら聴きだったし、なにしろ記憶が遠いからアテになりません。
40年ぶりに聴くブーレーズ、前半は目鼻立ちがクッキリ、後半は重厚。
テンポは4楽章を除いてだいたい中くらい。
舞踏会のハープはキリッと硬質。コルネットは導入せずスマートな仕上げ。
野の風景は、憂愁を濃く帯びたコーラングレがしみじみ美しい。
断頭台への行進は遅い。なにかの冗談かと思うくらいに。転じて魔女の饗宴はほぼ普通のテンポに戻り、推進力の強い音楽を展開。荘重なチューバと滑らかな鐘は、見たことのない中世の寺院を想起するよう。
ラストはゆっくり目のテンポで厚ぼったく締めくくられます。
『のっぺりしている』とは4,5楽章のことを指していたと理解。だとしたら、あながち思い違いではないかな。
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