マゼール指揮ミラノ・スカラ座・他による演奏で、プッチーニの「マノン・レスコー」を再び聴きました(1992年2月、ミラノでの録音)。
この物語を一言で言えば、女が男と駆け落ちしようとしているところを捕らえられ、アメリカに売り飛ばされて絶望して死んでしまう、といった話。
歌手はそれぞれ持ち味を出しているように感じます。エドモンドは学生なだけに軽薄調、デ・グリューは勢いはいいがヤサ男風。レスコーは力強く頼り甲斐のある兄貴。マノンは声にたっぷりとした艶があり、色っぽい。ジェロンテはパワフルで輝かしい。老人とは思えないくらい。
マゼールのオーケストラはいい。雄弁でありながらクール。少し靄のかかったような、しっとりと潤いのある響きは雰囲気たっぷり。録音の加減もあるでしょう。そして各楽器のうまさも光っている。オケだけで奏される場面で印象的なのは、3幕の間奏曲。べったりこってり甘くて素敵。
マノン:ニーナ・ラウティオ(S)
レスコー:ジーノ・キリコ(Br)
デ・グリュー:ペーター・ドヴォルスキー(T)
ジェロンテ・ルイジ・ローニ(B)、他
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
PR