清水徹男の「不眠とうつ病」を読む。
「寝床を睡眠とセックス以外の目的に使わない。寝床で本を読んだり、スマホを見たり、食べたりしない」
30年来の不眠症である。中学生の時からラジオの深夜放送を、ほとんど毎日朝方まで聴いていたのが悪かったのだろう、社会人になるまで夜型だった。そのクセが抜けていないせいか、あるいは違う原因なのかはわからないが、今も寝つきはものすごく悪い。だからしばしば睡眠導入薬の世話になる。
以前かかっていた医者によれば、眠れなくても目を閉じて安静にしていれば疲れは取れる、と言われていた。だが、最新の研究によるとそれは間違いのようだ。実際に実験したところ、交感神経の休養はとれないという。また、寝床で眠れない状況はストレスになるとのこと。
布団の中で読書するのが至上の喜びなので、これをできないのはツラい。仕方がないのか。
レミ・バロー指揮、ザンクト・フローリアン・アルトモンテ管弦楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲3番(1873年第1稿)を聴く。
曲そのものが長い上に、テンポがゆっくり目なので、演奏時間は89分に及んでいる。しかもCD1枚! レコードのように長い時間を詰め込むと音質が落ちる、ということはたぶんないだろう。やればできるじゃないか。
1楽章 32:35
2楽章 23:39
3楽章 07:54
4楽章 24:55
全体を通して、遠くの山を見るような、ぼんやりとして雄大な演奏。
ぼんやりというのは、残響が非常に豊かだから。そのあたりの感触は、パーテルノストロのブルックナーによく似ている。
CDでじっくり聴くと、美しいことこの上ないものの、長く感じることは否めない。ただ、3稿を聴いてしばしば感じる、せかせかしたところはない。曲の印象がけっこう違う。こちらは地にどっしりと足をつけている感じ。スケールが大きい。また、一日録りのライヴなのにミスは見当たらない。
ホールで実際に聴いたならば夢心地だろう。
2013年8月、リンツ、ザンクト・フローリアン修道院でのライヴ録音。
時計台。
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