シュミット=イッセルシュテット指揮北ドイツ放送交響楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲7番(ハース版のようです)を聴きました(1968年10月、ハンブルクでのライヴ録音)。
これは名演だと思います。
冒頭から艶やか。60年代のライヴにしては録音が上等で、透明感すら感じます。弦はときおりポルタメントをかけており、洒落た味わいを醸し出しています。いくぶん速めでサクサクと進むけれど、足取りはじっくり。
2楽章は中庸からやや速めのテンポ。どっしりしていて、かつ流れが淀みがありません。弦の響きはコクがあり、蕩けるよう。山頂は徐々にクレッシェンドして、ティンパニのロールに乗ってシンバルが爆発。ワーグナー・チューバはいぶし銀。
3楽章は快速。リズムの味がよく、各楽器が匂い立つようで、響きの密度が濃いように感じます。
終楽章は中くらいのテンポ。軽すぎず重すぎない重量感が心地よい。このことは全曲を通じて言えますが、そのバランスの良さがこの演奏の大きな特長だと思います。
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