レーグナー指揮ベルリン放送管弦楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲9番を聴きました(1983年2月、ベルリン放送局大ホールでの録音)。
レーグナーで思い出すのは、中学生の頃の出来事。
読売日響によるベートーヴェン「第九」のコンサート会場である新宿厚生年金ホール方面行きのバスを待つ停留所で、見知らぬおっさんが「君、どこに行くの?」などと話しかけてきたので、ひと言ふた言話したのち、「第九の指揮者はカラヤンかい?」と訊いてきて「いや、レーグナーです」と返して、ちょっと困ったような顔をしたおっさんの表情を今も覚えています。
あの当時、見ず知らずのおっさんに話しかけられることが多かったナ。
そのレーグナーの、こちらはブルックナーの第九。とりわけ両端楽章は、速めのテンポでサクサク進みます。
金管楽器はほどよくブレンドされていて、輝かしくもしっとりしているように感じます。また、録音のせいかもしれないけど、ブラスと弦楽器とがクッキリと、かつ自然に分離されているので、全奏の部分でも響きが混濁しておらず、透明な印象を受けます。
全体を通して、淡麗な味わいのあるブルックナーだと感じます。
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