シューリヒト指揮ハーグ・フィルの演奏で、ブルックナーの交響曲7番を聴きました(1964年9月、デン・ハーグでの録音)。
なぜか7番をむしょうに聴きたくなり、ディスク・ユニオン神保町店に足を運んで入手した1枚。シューリヒトのは聴いたことがなかったし、彼の8番や9番はなかなかよかったので迷いなし。
果たして、これは素晴らしい。比較的速めのテンポで進んでいきますが、せかせかした感じは微塵もない。大河のようにたっぷりとしていて、春の山のような野趣があります。1楽章のホルンやヴィオラなど、普段聴こえない音が聴こえるのも面白い。ハーグのオーケストラもじゅうぶんうまい。
ところで、R・シュトラウスの「家庭交響曲」やスクリャービンの「法悦の詩」には、男が「イク」ときの情景が描かれていると言われていますが、この曲の2楽章(そして8番の3楽章)もそんなふうに感じます。
なお、宇野功芳によるライナー・ノートによれば、この演奏、基本は「ノヴァーク版」で一部「ハース版」が使われているとのことですが、そのあたり相変わらずよくわからないな。
パースのビッグムーン。
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