カラヤン指揮ベルリン・フィルの演奏で、ブルックナーの交響曲4番(ハース版)を久しぶりに聴きました(1975年4月、ベルリン・フィルハーモニーでの録音)。
幼なじみからの誕生日プレゼント。
カラヤン好きの彼は「基本に立ち返ってみた」などと言っていたけど、カラヤンのブルックナーは基本かな?
出だしの第1主題で弦楽器がオクターヴ上げている箇所があるところはわりと珍しいものの、以降はオーソドックス。
金管も木管も肌ざわりがひんやりとしていて、鋭角的。この曲は「ロマンティック」と云われることもありますが、この演奏においてのそれは、星屑煌めく田園の幻想というよりは、六本木の高層ビルでのディナー、といったイメージ。
ブルックナーは、ときに「野人」と呼ばれることがあるようです。また、カラヤンはじつは都会嫌いだったと伝え聞きます。だから波長が合ったのかはわかりません。いずれにしても両者は同じ国の音楽家だし、カラヤンはその交響曲を全部(0番とか00番はないものの)演奏しているのだから、この作曲家に少なからずシンパシーを抱いていたのじゃないかと推察します。
ブルックナーがこういう演奏を期待していたかどうかは別として、高層ビルもアリだった、という見方は、後期の交響曲でより顕著になると考えます。
PR