飯森範親指揮 東京ニューシティ管弦楽団(ピアノ:三原未紗子)の演奏会に足を運びました(2021年1月24日、東京芸術劇場にて)。
キラール 「オラヴァ」
ブラームス ピアノ協奏曲1番
ストラヴィンスキー 「ペトルーシカ」(1947年版)
三原さんのピアノを聴くのは初めて。友人たちは皆、彼女を絶賛しているし、ブラームスに加えてストラヴィンスキーというタフな演目なので、大いに期待しました。
果たして、素晴らしかった。
ブラームスにおける抑揚のつけかたは、しなやかで、かつとても自然。まるで聴く者の血の流れに沿ってるようで、生理的に馴染みました。音色はどの場面においても柔和で、角が丸い。それは特に2楽章において顕著でした。
この曲において技巧に難が見当たらないことは稀有のこと。過去に聴いた日本人より明らかに優れていたし、ずいぶん昔に触れたアンドレ・ワッツより明らかに冴えていたと感じます。
演奏のダイナミズムに加え、瑞々しい情感もたっぷり。頬に紅を差したブラームスに出会うことができました。
キラールは聴きやすいミニマル・ミュージック。このオケの、弦楽セクションは柔らかで闊達、素晴らしかった。
飯森さんの指揮による演奏は、20年くらい前にチャイコフスキーの5番を聴いて以来。ミスをしたホルン奏者を睨んでいたことだけを覚えています(笑)。
今日のペトルーシカは好調。華やかさに加え、厚みのある響きはリズム感もよく、ずっしりと腹持ちしました。
三原さんはここでは重厚。
編成は、ブラームス、ストラヴィンスキーともに14型、コントラバス6名。
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