東五軒町の焼き鳥屋「どげん」。ここは焼き鳥は言うに及ばず、いろいろな野菜の串焼きも提供してくれる。
一時期はたまねぎにはまったが、今はミニ・トマト。トマトは基本的に小さい方が旨味が強いようだ。そして、火を通すことにより、一層甘くなる。
これはいつものマスターの。皮を剥いてある。仕上げに皮をとるのだ。
これは木曜日のマスターの。皮つき。
家でトマトを食う時は皮を剥がさないので、たまに取った状態に出会うと上品に思える。
その一方、皮つきは野趣がある。
どちらも捨てがたい。
チェリビダッケ指揮ミュンヘン・フィルの演奏で、ブルックナーの交響曲4番を聴く。
チェリビダッケの生演奏を聴いたのは1度。それがこの4番。当時はすでに、コンサートに行って2000円も3000円もするパンフレットを買わなくなっていたので、いつのころか定かではなかったが、ネットで調べるとサントリー・ホールで4番をやったのは1990年だけ。
この年はミュンヘン・フィルとブルックナーばかり、4番・7番・8番と演奏していた。
8番についてはテレビでも放送していたから、聴いておられるかもしれない。100分をかけた大演奏である。
4番もなかなか負けていない。80分近くという、この曲としては破格のテンポで演奏している。
とても遅いテンポだからこそ、ディテイルが鬼のように響いてきて、それが全体の骨格の一部になって、結果として巨大な構築物のようなものを提示させられたものだ。とても、圧倒された。
ミュンヘン・フィルはチェリビダッケに鍛えられたのだろう。遅いテンポに余裕をもってついていくし、じつにこなれた音色を醸し出していた。
このディスクの演奏は、そのおよそ2年前。テンポもスタイルも、あのときと大きな差異はないだろう。ライヴといっても、おそらく南ドイツ放送局のものだから、録り直しはないと思われる。ライヴの臨場感は手に取るように伝わってくる。瑕疵はない。贅沢を言えば、録音が若干メタリックな感じがする。でも、それだけ。
ディスクとしても、何度も聴くに耐えうる演奏ではないだろうか。
1988年10月、ミュンヘン、ガスタイク・ザールでのライヴ録音。
休憩。
重版できました。
「ぶらあぼ」4月号に掲載されました!PR