ブラームス ヴァイオリン協奏曲 レーピン(Vn) シャイー指揮 ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管奥田英朗の「勃ちっ放し」を読む。
これは、陰茎強直症に罹った会社員がトラブルに遭遇するドタバタ喜劇。
昨日に続き、伊良部医師シリーズのなかの一編。
勃ちっ放しになったら大変だろうな、女性にはわからん苦しみだろうな、などと少し同情をしつつも、当然ながら他人事なので笑える。
このシリーズ、ひとつひとつが丁寧にできていて面白い。患者に感情移入できるのだ。ハマったかも。
ワディム・レーピンの演奏でブラームスのヴァイオリン協奏曲を聴く。
ヴァイオリンが登場するまでのオーケストラがまずいい。音が渋い。弦の音色からは、木の香りが漂ってくるよう。管楽器が混ざると少し混濁するので、弦だけの部分が突出してよい。なんとはなく名演奏の予感がしたが、果たして的中した。
レーピンは堂々たる弾きぶり。オイストラフを思わせる太い音色にはドスがきいていて、なおかつパールマンのように精確極まりない。スケールが大きく、余裕のある演奏だ。スキがない。
シャイーの指揮もいい。ヴァイオリンにぴったりと寄り添いつつ、シブい音色を惜しみなく、いきいきと披露している。2楽章のオーボエは輝かしい。3楽章の積極的な弦のキザミも素晴らしい。
ちなみに、1楽章のカデンツァはおなじみのヨアヒム版ではない。ライナーによると、ハイフェッツに影響を受けたとあるが、ハイフェッツのものなのか自作のものなのか、わからない。でも、悪くないカデンツァである。
2008年8月、ライプツィヒ、ゲヴァントハウスでの録音。
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