ポリーニのピアノ、ティーレマン指揮ドレスデン・シュターツカペレの演奏で、ブラームスのピアノ協奏曲2番を聴く。
ポリーニは過去にこの曲を、アバド指揮ウイーン・フィル(1976年)、ベルリン・フィル(1995年)と録音を行っている。知る限りでは、これが3度目の正規録音。
ベルリンは未聴。ウイーンとのものは、確かな技巧を軸にしつつ、柔らかなタッチで淡い詩情を描いた演奏と記憶する。
本盤は勢いがいい。ライヴであることは関係あるはず。テンポは全体的にいくぶん速め。激しい箇所においては、つんのめりそうに駆け抜けてゆく場面もある。
テクニックはいまだ申し分ない。硬めの音色でもって、ときにはぐいぐいと推進し、ときにはじっくりと沈滞もする。自在にピアノを操っている。余裕を感じる。
ティーレマンのドレスデンは、冒頭のホルンの、コクのある響きで勝負あったという感じ。以降も、弦楽器、木管楽器の深くしっとりとした音色がおいしい。3楽章のチェロのソロは、じつに芳醇にしてまろやか。人生、こんなふうに穏やかでありたいと思いつつお茶を飲む。
1楽章の展開部の終わりの方で、シンバルのような音が聴こえる。あれは、なんだろう?
ヴァイオリンは対抗配置。
2013年1月25日、ドレスデン、ゼンパーオーパーでのライヴ録音。
1月。
3月に絶版予定。。
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