ウゴルスキのピアノで、ブラームスの「ピアノ・ソナタ3番」を聴きました(1995年6月、ベルリン、イエス・キリスト教会での録音)。
この曲は1853年に作曲されました。ブラームスが20歳ころのときです。
ここからは青春の、いきり立った業火のような情熱を聴くことができます。演奏によっては、暑苦しくて押しつけがましい(それもまたいいのですけどね)ものになりますが、ウゴルスキのピアノはとてもクールであり、ある意味醒めているように感じます。
若さゆえの、わけのわからぬ憤怒が爆発するようなスケルツォも、彼の手にかかると、あたかも水晶のような透明感のある淡い情感に彩られます。
ちなみにこの曲、ゲルバーの演奏は約35分、カッチェンのが約38分に対して、ウゴルスキは約47分かけています。それでも重く感じないのは、演奏そのものが明晰なことに加え、明るいトーンの録音がきいているのでしょう。
パースのビッグムーン。
PR