インバル/フランクフルト放送饗実力ではトップクラスのインバルは、なぜベルリンやウイーンなどの
メジャーオーケストラに客演する機会が少ないのだろう?
理由はいろいろ考えられる。
・リハーサルが長くて嫌がられる。
・自分より上なので、音楽監督や常任指揮者が呼ばない。
・実は日本でしか人気がない。
・変態っぽいので嫌われる。
・落武者みたいで怖い。
後の2つは冗談だが、くくりとしては似たタイプにみえる
シノーポリがメジャーでのし上がっていったのに較べると、
インバルの活躍はいささか地味に思える。
しかしマーラーやブルックナー、ベルリーズなどの録音を聴く限り
では、並の指揮者ではない。
デンオンの録音が特殊なので(悪いわけではないのだが、なにか
違和感を感じる音づくりだ)、ちょっと損をしているのではないか
という気はする。
彼がデッカでコンセルトヘボウなんかを振ってマーラーを録音したら、
それは凄い演奏になるのじゃないかと思う。
さて、ブラームスの第4。
冒頭はフルトヴェングラーみたいに、そうっと、入ってくる。
まずはこれで、引き込まれる。
1、2楽章は丁寧に、落ち着いて進んでいくが、3楽章から
活気がでてくる。とはいっても、露骨に騒がしく鳴らせている
わけではなく、じわじわじっくりと。
最終楽章では、あたかも3楽章までの「人生経験」の酸いも甘いも
知り尽くした熟年の男のように、じっくりとフィナーレに突入
していく。
細部のつくりは相変わらず細かいが、それが気になることなく、
全4楽章の均衡が保たれている演奏である。
フィナーレでは、久々に菜箸を振ってしまいました。
いい演奏でした。
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