バッハ 「ゴールドベルク変奏曲」 チェン・ピ=シェン(Pf)小宮一慶の「ビジネスマンのための「発見力」養成講座」を読む。
著者はことあるごとに日経新聞の「景気指標」を宣伝しているが、その効果の一端が本書に述べられている。
「アメリカの住宅着工はいま前年比マイナス二十%ぐらいなのですが、これがもうしばらく続くとアメリカ経済はクラッシュする確率が高まります。世界経済にも大きな影響が出ます」。
本書の発行は2007年9月なので、リーマンショックの1年ほど前。予測が当たっている。「景気指標」からこれだけの仮説を引き出すことができるとは、マメな定点観測と好奇心の賜物なのだろう。
チェン・ピ=シェンのピアノによるバッハを聴く。
ところどころに装飾音を纏わせながら、軽やかに進む。テンポは全体的にやや速めであり、動きは少ない。サクサクと一気に聴きとおすことができる。
ピアノの音量はほぼ一定なので、そこはチェンバロ演奏を意識したのかな。どの変奏曲にも強い個性を出していない。淡々と演奏している。あえてそうしているのだろう。慎み深いピアノと言える。
ただ、録音がやや平板なので、損をしているように思う。
1985年10月、フランクフルトでの録音。
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