バッハ ゴルトベルク変奏曲、他 ピーター・ゼルキン(Pf)ビリー・ワイルダー監督の「麗しのサブリナ」をDVDで観る。
オードリー・ヘップバーンの映画としては、「ローマの休日」に続く第2作目である。
ヘップバーンの魅力が爆発。可愛らしすぎる。
彼女の髪型、穿いていたパンツがブームになるのもうなづける。21世紀の現在に見ても全然古くないどころか、今またブームになってもおかしくないほどだ。
実業家のボガード、プレイボーイのホールデンは、それぞれ大俳優の持ち味を出しているが、ヘップバーンと比べてしまうと間抜けに見える。それほどヒロインが光っている。
洒落のきいた脚本と演出は、ビリー・ワイルダーの真骨頂といったところ。
ピーター・ゼルキンのゴルトベルクは、変化球ピッチングだ。
細かくテンポを揺らしたナックルボールや、角度のある落差のカーブを多投する。
ストレート勝負をあえて避けているようだ。
グールドの、特に新盤を聴きなれている耳には、あえてグールドと反対のテンポをとっているように感じる。グールドが速く弾き飛ばしているところはじっくりと腰を落として弾いていて、逆にグールドが止まってしまうかのようにゆっくりな部分は、すばやく弾ききっている。
全体を通して聴いてみると、各曲の印象がぼんやりとしている。曲のあいだのつながりが、やや希薄であるように感じる。ひとつひとつの演奏は、わるいものではないけれど、バラバラになっている印象である。
全32曲の大半は反復を省略しているので、演奏時間は短い。
1994年6月、ニューヨークでの録音。
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