ドヴォルザーク 交響曲第8番 セル指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管「秋茄子は嫁に食わすな」という言い伝えがあるが、うちのカミさんは茄子が好物で、よく自分で買ってきては料理している。私は嫌いではないがあまり積極的に食べるほうではなかった。というのは、「茄子には栄養がない」との説を信じていたからである。料理の価値は味にあると思いつつ、栄養も気になるところが軟弱である。
改めて調べてみると、成分の90%以上は水分であるものの、ビタミンやカルシウム、鉄分、カリウムなどのミネラル成分、食物繊維などをバランス良く含んでいるらしい。
これならいいだろう(どこが!?)。
その茄子料理をひとつ。
「とろろなす」
1.輪切りに素揚げした茄子と軽く塩茹でしたオクラをタレ(麺つゆもしくは冷やし中華のタレなど)につける。
2.冷蔵庫で冷やす。
3.すりおろした山芋をおもむろにかける。
見た目はいまひとつだが、茄子にからみついた油の香りと、とろろの喉越しがなんともいえない。
この料理、実は「世界の山ちゃん」のメニューにあったもの。オクラは私のアレンジ。
料理のレシピを増やすコツとは、ひたすらパクることであるな。
この連休は暇にまかせてLPを聴いた。休みの日でないとなかなか聴く気が起こらない。なんだかんだ言って、めんどうくさい。このセルのドヴォルザークにしても、2楽章が終わったところでアームが戻ってきちゃうのでけっこう忙しい。あっという間である。昔はそれが普通だったのに、便利に慣れてしまうとちょっとした作業でもおっくうになってしまう。なにかをしながら聴くのは今更ながら、というか今更だからあまり向かないようだ。
さてセルの8番。後年にクリーヴランド管と録音したものに比べて録音は冴えないが、モコモコした音から滲み出る滋味がなんとも言えない。ことにこの曲では頻繁に登場するホルンのコクのある音が絶品だ。ときに羽毛のように柔らかく、ときに雷のように激しい。この音を聴くためだけでもこのLPを取り出す価値はあるかも。
でもよいところはもちろんそれだけじゃない。スリムに切り込まれた弦の鋭敏なアンサンブルも聴き逃すことはできない。
セルはクリーヴランドとの演奏でこういった特色をよく出しているが、それはこのコンセルトヘボウとの演奏においても鮮やかだ。室内楽的な響きといわれることがあるが、確かに少人数で弾いているように聴こえる。それほど縦の線がキッチリ合っているということだろう。
とかいって、実は本当に少人数だったりして。
1951年9月の録音。
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