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リヒテル、ドビュッシー"前奏曲集第1巻より"

2016.01.10 - ドビュッシー

ma



蕉雨園は明治30年(1897年)建造の、宮内大臣の邸宅だった純日本家屋だそうだ。関口なので歩いていけるくらい近いが、その存在を初めて知った。

このリサイタルは、当時セゾン・グループの代表であった堤清二が、西武のお客さんを中心に100名程度招待したとのことで、一般には知られていなかった。が、NHKが録音していたため、陽の目をみた。
プログラムは、ハイドンのピアノ・ソナタとドビュッシー。日本家屋での演奏は難しかったがドビュッシーのほうが向いていた、とリヒテルは述懐している。

リヒテルのフランスものもけっこう好きなので、期待した。
「デルフィの舞姫たち」で、一気に浮世の世界を忘れさせてくれる。ドビュッシーの味が濃い。
「アナカプリの丘」は、ジャズのイディオムをいれた曲。リヒテルはジャズもいい。とてもうまい。わざとらしくない。
「西風のみたもの」は華麗にして力強い。ピアノ本体が軋んでいるだろう、たぶん。
そして、予想をはるかに上回るスケールだった「沈める寺」。たまげた。

ときにリヒテル69歳。テクニックの衰えは、まだない。

収録曲は10曲。「亜麻色の髪の乙女」と「ミンストレル」は演奏されなかった。

録音はデッド。日本家屋だから仕方がない。本来は放たれるであろう豊かな響きを、頭で補いながら聴いた。

 
1984年3月27日、東京都文京区、蕉雨園でのライヴ録音。



ma
 
1月。





3月に絶版予定。。






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