チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番 ギレリス(Pf) ライナー指揮シカゴ交響楽団大前研一の「柔らかい発想」を読む。
人間社会とはなんだろう。本書はそんな疑問に答えてくれる。
「私は世の中には能力差があるだけだと思っている。足が速い人がいれば遅い人もいる。会話の不自由な人もいればそうでない人もいる。人それぞれ能力が違うだけである。社会というのは、そういういろいろな能力の違う人々の集まりなのだ」。
優しいじゃあないか、オーケン。
ギレリスのチャイコフスキー「ピアノ協奏曲第1番」を聴く。
全体的に速めのテンポでもって進んでゆく。ライナーが煽る場面がいくつかあるが、ギレリスはどんな速いパッセージにも軽々とついていく。いわゆる「鋼鉄のピアニスト」といわれた頃の録音であり、技術的には脂が乗り切っている。技術に不安なし。
2楽章のフルートの独奏では、ターラーララー、と音を上げている。上げるのか下げるのか、ここは諸説あるようだが、上げるのはわりと珍しいんじゃないかな。
ラストは怒涛の追い込みは、アルゲリッチ/コンドラシンや、ホロヴィッツ/トスカニーニと比肩するものだ。いや、これが頭ひとつ抜けているかも。
オーケストラのボルテージの高さにおいては、今まで聴いた中で、たぶんこれが最強。
1955年10月の録音。
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